家を売るために外壁塗装は必要?判断基準やメリットとデメリットは?

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2020.02.03

目次

家を売るには見た目の第一印象が大事です。

ひびの入った外壁や雨だれで古びて見える家。

売却前に外壁塗装をするべきでしょうか。

買主の購入意欲を高めるためにも外観を綺麗にしたいけれど、売却価格で元が取れなければ意味がありません。

塗装を考えるべき劣化の見分け方、売却と外壁塗装について紹介します。

外壁塗装の判断基準

外壁塗装の実施の必要性は目で見て、古くなってきていたら。

築10年を超えて外壁が悪くなってきたと感じたら検討してもいいタイミングです。

症状別にどれくらい劣化が進行しているのか説明します。

ひびや割れが目立つ

築年数とともに少しずつ増えるひび。

外観を古く見せてしまう原因にもなります。

寿命が長いとされているRC造では、コンクリートがアルカリ性を保つことで中の鉄筋を錆びさせないようになっています。

鉄筋を覆っているコンクリートはさらに外壁塗装で覆われていますが、塗装が劣化してひびが発生、コンクリートがひびから雨にさらされてしまうと、アルカリ性から中性に変わってしまいます。

これは中性化と言われていますが、こうなると鉄筋が錆びるのを止めることができなくなってしまいます。

だんだん鉄筋の錆が進行すると、内部で膨張してコンクリート自体を押し出して鉄筋が露出するという爆裂という現象も起きてしまいます。

躯体が壊れてしまうのです。

塗装は雨水や日光から躯体を守る大切なもの。

ただし、0.3mm以下のごく細いひびであれば表面だけのひびであり、躯体まで影響はないと考えられます。

細かいひびはヘアクラックとも言われ、築浅でも入っていることはあります。

幅の大きなひびや塗装の剥離、小さかったひびでも広がったり深くなって、進行するなら要注意です。

劣化が進む前に外壁塗装で躯体を守りましょう。

チョーキング現象が見られる

塗装の劣化を見分ける基準に、チョーキングと言われる表面が粉っぽくなる状態があります。

塗装の寿命は10年間ほど。

塗装は太陽光が当たる場所、日陰、潮風の当たる所など場所によって劣化の進行にも差があります。

同じ建物でも北側と南側では劣化具合は変わってきます。

雨や太陽光などにさらされることで塗装面が変質してしまうのがチョーキング。

手で擦ると粉っぽい物がつくので一目瞭然です。

インスペクションで是正指示がある

家の健康診断であるインスペクション

実施は任意の制度ですが、重要事項説明書には必ず出てくる単語なので少しずつ認知されてきています。

主に建物の状態が分かりにくい中古住宅の売買で活用されます。

インスペクションでは、劣化状況を目視を中心に診断し、どういった補修の必要があるのか
どれくらいの劣化具合なのかをわかりやすくまとめます。

インスペクションで指摘事項があったとしても直すことは義務ではありません。

欠陥が見つかったときは直すのがベストですが、買主の了解の上であれば直さないで売買することも可能です。

ただインスペクションは買主が重視する情報です。

結果次第では購入をやめる買主もいます。

指摘事項があれば可能な範囲は売主で補修することがお勧めです。

外壁塗装のメリット

家を売るには外観が綺麗になる外壁塗装はおすすめです。

外壁塗装は室内のリノベーションと異なり、工事が終わっていても買主が趣味と合わないから困る、という可能性も低いので、喜ばれやすい工事です。

見た目がキレイ ・劣化を防ぐ

外壁塗装は見た目だけでなく、先ほど説明した通り、躯体を守る効果があります。

築10年を超えると劣化が見られるようなら早めに外壁はメンテナンスが必要です。

新築で購入すると、売主からの家の保証は10年までのことが多いです。

一度躯体に入ってしまったダメージは取り除けません。

10年以降は躯体の保証がないので家を痛めてしまう前に補修していくのが良いでしょう。

買主へのアピールになる

外観は第一印象を決めるので、塗装をしたばかりの家は実際の築年数よりも新しく見えます。

マンションでも大規模修繕工事直後は生まれ変わったように綺麗になりますよね。

第一印象で同じくらいの築年数の競合との差を明確につけることができるので、売れやすくなるといえます。

外壁塗装は奇をてらわなければ、茶色、白色、ベージュなど選択肢が限られてきます。

室内のリノベーションよりも人によって好みが分かれるといったこともおきにくいので、嫌がられる事が少ないのです。

外壁塗装がされていれば数年はメンテナンスが不要なので買主に喜ばれます。

外壁塗装のデメリット

外壁塗装のデメリットは、簡単な工事ではないので、費用対効果が悪いということ。

しかも工事の間は日常生活もままなりません。

住みながら外壁塗装をしたいとなると面倒かもしれません。

工事費用が高額

外壁塗装は人件費の割合が高いですが、実は足場の費用が意外にも高いのです。

工事費用の2割が足場代だったなんてこともあり得る話です。

そのため、足場を組むくらいだったら屋根を直したり、漏水箇所の補修など塗装以外の所もついでに直しておきたいとなってくるので、外壁塗装だけに収まらないかもしれません。

売却価格への上乗せは難しい

費用がかかる一方で、その分を売却価格で元を取れるかというと難しくなります。

確かに外壁塗装は見栄えがするので、買主へのアピールにはもってこいです。

しかし、外壁塗装に限らず、個人でやる売却前のリフォームや修繕は元を取れるケースは多くありません。

外壁塗装は一般的な一戸建てでおよそ100万円弱かかりますので、売却時それ以上の付加価値をつけられなければ損をすることになります。

工事中は日常生活が不便

外壁塗装の期間中は、足場を組んでシートで建物が覆われてしまうので、窓も自由に開けられません。

外に洗濯物も干せませんし、日当たりも悪くなります。

外壁塗装の工事は塗料が飛ぶ可能性があるだけでなく、洗浄の工程もあるので、汚れも飛びます。

塗装の工程は大体が3回塗りです。

塗る工程の間には乾燥の時間も必要。

工期は最低でも10日間~2週間程度かかることもあります。

外壁塗装は気温が低いと乾きが遅くなり、雨天時には作業ができないので季節の影響を受ける工事です。

天候次第では工期がずれることも。

室内のリフォームと異なり、自分だけでなく近隣に塗料が飛散する可能性があり挨拶周りや近隣への気遣いが必要な工事になります。

費用だけでなく、不自由になる手間を掛けてでも外壁塗装を売却前にした方がメリットがあるのか見極めたいところです。

家を売るならまず不動産業者に相談しよう

家を売る前に外壁塗装をするかどうかは、まずは不動産業者から査定をもらってから考えましょう。

査定は近隣の取引事例を参考に算出されるものなので、不動産業者に売り出し中の競合がどれくらいあるのか聞いてみるのも良いでしょう。

もし競合する物件が多くなければ、差別化のためにわざわざ外壁塗装で手間をかける必要がないかもしれませんし、まだまだ築年数的にはリフォームしつつ住めるのに外壁の劣化が目立つようなら外壁塗装が必要かもしれません。

査定をもらったら、外壁塗装の必要性を不動産業者に聞いてみましょう。

直すよりも解体したり、値引きしたりする方法もあります。

最初にもらう査定には「不動産一括査定サイト」の利用がお勧めです。

不動産一括査定サイトでできるのは、一回の査定依頼で複数の不動産業者から査定がもらえるということ。

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soraki

宅地建物取引士を取得し、ディベロッパーのマンション営業として企画、集客、顧客の住宅ローンの審査まで幅広く携わる。 新築分譲マンションのモデルルームでの接客をしながら、審査の通りにくい顧客にも対応し、住宅ローンを提案。 その後、マンション管理会社に転職し、フロント営業となる。修繕の提案や長期修繕計画の作成など、管理業務主任者として分譲マンションの管理組合運営に関わる。

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