宅地建物取引士とは?家を売る前に知っておきたいポイントを解説します!

46view

2019.01.23

目次


これまでにアパートやマンションを不動産業者を介して借りた経験がある方は、宅地建物取引士から重要事項説明を受けているはずです。

その時は、「何か決まりがあってやっているんだろう」と思われた方も多いでしょうが、家を売る場合ではその役割はさらに重要なものとなります。

不動産取引の契約に関しては、宅地建物取引士のみに任せられている業務があり、その役割と責任は重大です。

家を売ることを検討している方は、この重要性について知ることが、不動産取引の基本を理解することにつながります。

また、宅地建物取引士にその役割をきちんと果たしてもらうことが、損害を被ったり、後で後悔する事態の防止につながるのです。

ここでは、宅地建物取引士とは何か、そして押さえておきたい具体的なポイントについて詳しく紹介します。

宅地建物取引士とは

1.宅地建物取引士はなぜ必要?

不動産の取引は一般的に対価が高額で、その権利関係も複雑でわかりにくいことが多いものです。

また、不動産業者は営業成績を上げる必要があるため、当事者に不利な点をきちんと説明することなく、取引成立を優先させるかもしれません。

そこで、国家試験に合格し、不動産の専門知識を持った宅地建物取引士が、法律に定められた重要事項の説明をすることによって、売主・買主の誤りや見過ごしによる、予期しない損害を防ぐことが最大の目的です。

そのためには、不動産の取引にはいつも宅地建物取引士が関与し、取引の当事者に適切な説明ができるよう準備を整え、公正な取引を成立させるよう努力する必要があります。

宅地建物取引士がきちんとした説明を行わず、損害を与えたときは、宅建業者だけでなく宅地建物取引士個人も、共同不法行為者として損害賠償の責任を負うことになるのです。

従って家を売る場合、宅地建物取引士に対しては、不明な点や気になる点をそのままにすることなく、自ら説明を求めていくことが重要なポイントです。

2.宅地建物取引士の務めとは

宅地建物取引士の業務は、不動産取引業の建物や土地の売買、不動産の仲介およびオーナー代理など広範囲に渡ります。

これらの中で、不動産取引の専門家として 取引当事者の利益を保護し紛争を防止するよう、公正かつ誠実に法律に定められた事務を行うことが求められています。 

そのためには、リフォーム会社や金融機関等、関連する事業者との連携を図ることが必要とされています。

そして、宅地建物取引士の行なう専門家としての業務は、取引の相手方だけでなく社会からも信頼されていることから、信用を失墜させる行為は禁止されています。

それは、職務に関することだけではなく、それ以外の私的な行為も含まれる厳しい定めとなっています。

また、取引に必要な知識及び能力の維持向上に努めることが求められ、常に最新の法令等を把握し、知識を高めていくこと、そして実務能力を向上させる努力が必要とされます。

同じ宅地建物取引士でも、このような務めをどの程度課しているか、実態としては差があります。

取引をする際には、関連する事業者と連絡を取り合ってもらえるか、質問したことにわかりやすく回答してくれるか、といった点で見極めていくことが重要なポイントです。

宅地建物取引士の専権業務

不動産取引にあたり、宅地建物取引士にだけ法律で権限を与えられた業務が以下の3点です。

1.重要事項の説明

契約締結前に、取引の相手方に対して、対象物件と契約内容に関して重要な事項を記載した書面を交付し、説明を行う必要があります。

これは取引当事者が、契約してもよいかどうか正しい判断ができるように、その材料を提供することが目的です。

この「説明」とはただ読み上げるだけでなく、相手に不明な点が残らないように、丁寧に最後まで解き明かし理解させることです。

この説明の項目数は、各種法令の改正や、紛争事例の追加により徐々に増えているため、より丁寧でわかりやすい説明が求められるのです。

重要事項説明の交付・説明は契約締結前に行われるよう法律で定められていますが、実態は直前の場合も多いようです。

その説明に基づく契約の判断を可能にするためには、余裕を持ったスケジュールを要求していくことが大切です。

そして、形だけの説明で済まされないために、不明な点が残れば、交付と説明を受けたことの署名・捺印をしないよう、強い意思で臨むことが重要なポイントです。

2.重要事項説明書への記名・押印

宅地建物取引士は重要事項説明書の内容に誤りがないことおよびその説明の責任の所在を明らかにするために、記名・押印をしなければなりません。

重要事項説明を受ける場合には、まずはこの記名・押印の両方があるか確認することが基本的なポイントです。

3.契約内容記載書面への記名・押印

宅地建物取引士は契約内容の明確な合意のため、そして誤りがないか確認するために、契約の当事者に対して、契約締結後遅滞なく、宅地建物取引士の記名と押印がある書面を交付しなければなりません。

それは、契約当事者が合意した内容を残す証拠として作成され、紛争の防止につながります。

この書面の記名・押印は重要事項説明と同一の宅地建物取引士である必要はありません。

契約締結にあたっては、契約書の内容に誤りがないかだけでなく、宅地建物取引士の記名と押印があることを確認することが重要なポイントです。

宅地建物取引士証

1.宅地建物取引士になるためには

まずは、宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県での資格登録を受け、さらに宅地建物取引士証の交付を受けることが必要です。

資格登録には2年以上の実務経験、または登録実務講習の受講が前提となります。

宅地建物取引士証の有効期限は5年間ですが、更新の時には法定講習を受けることが必要です。

なお、資格登録はどの都道府県知事に申請しても全国で使え、その効力は取り消し処分にならない限り一生有効です。

2.宅地建物取引士証の提示

宅地建物取引士は、 関係者から要求があった場合には、宅地建物取引士証を提示しなければなりません。 

また、重要事項説明をするときには、たとえ相手方からの要求がなくても、自ら提示しなければならないのです。

宅地建物取引士証は資格者であることの証であるため、なくした場合や、期限内に更新しなかった場合は、業務をおこなうことはできません。

このように資格者として完全に要件を満たさないと、業務ができないよう厳格な規定になっているのです。

重要事項説明を受ける際には、もし宅地建物取引士証の提示がなければその点を指摘し、提示を受けた上で、納得できる説明を受けることが重要なポイントです。

まとめ

ここで紹介したように、あなたが家を売る場合、宅地建物取引士の存在は重要なものです。

不動産の取引は大きなお金や大切な財産を動かします。そこでの失敗は人生を左右するような事態になりかねません。

かといって慎重になりすぎ恐れるだけでは大事を成すことはできません。

そこで、専門的な知識や経験を持つ宅地建物取引士が頼れる存在になるのです。

不動産業者を訪れたとき、担当者の名刺に宅地建物取引士の記載があるかどうかは、第一にチェックしたいポイントです。

この不動産取引のプロフェッショナルに、取引の条件や法令等の規制などについて相談しながら進めていきましょう。

特に重要な業務は重要事項説明です。契約締結に先立ち、対象とする物件の状況や、相手側と詰めた契約内容を記載した書面の交付および説明です。

この説明を受けあらためて疑問に感じた点は必ずその場で確認し、もし納得がいかなければ契約を考え直すことも必要かもしれません。

あなたの不動産取引を安全に行い、後悔のないものにするために、より良い宅地建物取引士を自ら選ぶつもりで、積極的に質問、相談をしていくことが大切です。

不動産賃貸事業の営業などに9年間従事し、大手不動産管理会社の経営企画部門で15年間にわたり事業企画などの業務を歴任。複数の不動産管理会社のM&Aを経験し、被買収会社の常勤取締役として事業の再構築を5年間担当。現在大手不動産管理会社の役員として経営企画部門を担当。保有資格:宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、管理業務主任者

このコラムが気に入ったら
ぜひ「いいね!」をお願いします♪

みんなに役立つ情報をお届けします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

あわせて読みたい関連コラム

掲載中のコラムを見る