目次
- 一戸建て売却の流れ
- STEP.1 調査(境界・競合物件)
- STEP.2 査定依頼(一括査定サイトの利用)
- STEP.3 媒介契約(仲介業者選定)
- STEP.4 販売活動(広告~内覧)
- STEP.5 売買契約(重要事項説明と手付金受領)
- STEP.6 引渡し(残代金受領)
- +α 確定申告
- 一戸建ての売却がマンション売却に比べ時間がかかる3つの理由
- 1.一戸建てはチェック項目が多い
- 2.一戸建ては特に新築に流れる傾向が強い
- 3.一戸建てはマンションに比べて需要が少ない
- 一戸建て住宅売却成功への7つのポイント
- 1.境界の確認
- 2.専任媒介契約を結ぶ
- 3.買取という選択肢
- 4.リフォームや外壁塗装、取り壊しの必要性
- 5.販売時期は大切
- 6.内覧対応は家のことが一番わかる人のみで
- 7.スムーズに売却するために!一括査定サービスの利用
住み替えをしたい、世帯人員が減少した、空き家を相続した、家を売る理由は人それぞれです。
ここでは『一戸建て売却の基本マニュアル』として初心者のあなたにも分かりやすく解説していきます。
一戸建て売却の流れ
一戸建て売却の大まかな流れは下記のとおりです。
どんなことを行うか、あなたがやるべきポイントを押さえておきましょう。
マンション 売却と違い、敷地全体を売却する点が大きな特徴になります。
STEP.1 調査(境界・競合物件)
あなたが売りたい一戸建ての売却に必要な書類がそろっているか。(売買契約書や確定測量図など)
また近い条件で売出されている物件の価格を知っておく。
STEP.2 査定依頼(一括査定サイトの利用)
あなたが売りたい一戸建てを不動産業者に査定してもらう。
STEP.3 媒介契約(仲介業者選定)
あなたが売りたい一戸建ての販売活動を任せる不動産業者の決定。(売出価格も決める)
STEP.4 販売活動(広告~内覧)
業者に広告をうってもらい、お客さん(買主)にあなたが売りたい一戸建てを見てもらう。
STEP.5 売買契約(重要事項説明と手付金受領)
重要事項の説明を業者にしてもらい、売主買主双方で問題がなければ、売買契約を結び買主から手付金をもらう。
STEP.6 引渡し(残代金受領)
売主へ残金の決済が行われ、買主へ鍵を引渡す。
司法書士が所有権移転などの登記を申請。
+α 確定申告
あなたが一戸建てを売った翌年の2月16日~3月15日に確定申告を行う。
一戸建ての売却がマンション売却に比べ時間がかかる3つの理由
首都圏(1都3県)の売出から売却までにかかった期間を調査したところマンションが平均6ヶ月に対し、一戸建ては平均11ヶ月というデータがあります。(2015年6月アットホーム㈱調べ)
もちろん平均ですので、この期間よりも早く売れるケースもありますが、一戸建てはマンションに比べ売却しにくく時間がかかるといえます。
ではなぜ売却に時間がかかってしまうのでしょうか?
1.一戸建てはチェック項目が多い
一般的に一戸建ての住宅は、庭や駐車場があったり、リビングや水回り、階段を通って寝室や納戸など部屋数がいくつもあり、目視で確認できるところには限界があります。
そして屋根や外壁からの漏水、結露やカビ、シロアリ被害、耐震性、道路、隣地との境界など、一般の人では調べきれないようなチェックすべき項目が多いことから、売却までに時間がかかってしまいます。
2.一戸建ては特に新築に流れる傾向が強い
誰しも予算が合うのであれば新しい家に住みたいものです。
『注文住宅>新築一戸建て(建売)>中古の一戸建て』が一戸建ての家探しをする人の理想であると思います。
注文住宅は土地がないことには建物を建てることができないため、まず希望エリアの土地探しから始めます。
希望エリアに理想の土地が売りにでているケースは少ないので、今度は新築の一戸建てを探します。
そして希望の新築物件が見つからず、条件が合致したときにようやく中古の戸建てが検索対象に入ってくると言えます。
諸外国に比べて新築の需要が多い日本では、中古一戸建てを求める人の絶対数が少ないことは、売却までに時間がかかる要因のひとつです。
3.一戸建てはマンションに比べて需要が少ない
ライフスタイルの多様化によって親世代との同居は少ないですし、世帯構成員数も減少の一途をたどっており、一戸建てのような部屋数は不要です。
利便性が高いエリアだと車は不要であったり、カーシェアリングもあるため駐車場を必要としないケースも増えています。
また家探しをする人の多くは、仕事や生活をするのに便利な場所を選ぶ傾向にあります。
駅と直結している物件もあったり、マンションは立地が優れている場合が多いですが、駅近の一戸建ては希少ですし高額になってしまいます。
そしてマンションの場合は、人に貸して賃貸収入を得るような投資目的の需要も多いことが特徴です。
これらのことからマンション売却に比べて、一戸建ての売却には時間がかかります。
時間がかかることが分かっている以上、ムダな時間をかけてはいけません。
効率的に販売活動を行ってくれる、信頼できる不動産業者を選びましょう。
一戸建て住宅売却成功への7つのポイント
一戸建て住宅は、庭や駐車場があったり外装や間取りなどを自分の好きなようにアレンジができたりと、マンションと比べて自由度が高いことが特徴です。
価格はもちろん住環境がよく人気のエリアや学区の関係で中古の一戸建てを探している人は、一定数必ずいます。
多くの人に物件を見てもらって売却活動をスムーズに行うため、下記7つのポイントをおさえましょう。
1.境界の確認
一戸建て住宅を売却する場合、土地の取引が発生するため隣地との境界を確認しておく必要があります。
境界が明確に示されていて、確定測量図や境界確認書などがあれば問題もないでしょう。
けれども境界標がなかったり、明らかに越境している場合は、売買契約後にトラブルやキャンセルの要因になるため、まず初めに土地家屋調査士などに土地の確定測量を依頼しましょう。
驚かれるかもしれませんが、測量を入れたら面積や地型が法務局にある資料と変わることはよくあることです。
2.専任媒介契約を結ぶ
一戸建て売却のとき媒介契約は、信頼できる1社に販売活動を任せる『専任媒介契約』を結びましょう。
また名前は似ていますが「専属専任媒介契約」を結ぶのはオススメできません。
なぜなら、意外と身近にあなたの売りたい一戸建てを買いたい人が見つかる可能性があるからです。
身内であったり、隣地の人が購入するケースは少なくありません。
専属専任媒介契約は自分で買主を発見した場合も、媒介業者に仲介手数料を支払わなければならないルールなのです。
複数社に依頼できる「一般媒介契約」は、不動産業者の儲けにあたる仲介手数料が支払われる業者が売買契約を結んだ1社のみであるため、業者が預かっている他の専任物件よりも優先して販売活動を行ってくれない可能性が高いです。
加えて販売活動の報告義務もないため、どのように販売活動を行っているか分かりません。
3.買取という選択肢
通常、一戸建てを売る方法として「仲介」を選択する人が多いといえます。
これは「仲介」が最も家を高く売れるからです。
けれども、スピード重視で一戸建てを現金化したいという場合は、「買取」という選択肢も有効です。
買取は不動産業者が買主となる取引形態で、販売活動を行わないため宣伝広告は不要ですし、仲介手数料が発生しません。
また売主の契約不適合責任を免責にすることが可能なため、売却後に建物などに欠陥が見つかっても揉めることもありません。
いいことづくめに感じる「買取」ですが、もちろんデメリットもあります。
一番ネックとなるのは、市場価格の7割程度で買取されることです。
業者が買取をする物件は、リフォームなどをして再販売をするので安くなってしまうのは当然といえます。
また買取を行っていない業者はもちろんありますし、「買取」をできない物件もありますので、目的に応じて売却方法を選び業者へ相談しましょう。
4.リフォームや外壁塗装、取り壊しの必要性
一戸建て住宅の売却にあたり内装のリフォームや外壁塗装などをすることによって、必ずしも査定額に反映される訳ではありません。
自分好みにリフォームを楽しみたい買主もいるため、リフォームの判断は一戸建ての売却に慣れている業者に相談しましょう。
すでにリフォームをした箇所がある場合は、記録をとっておくとよいでしょう。
査定がプラスに働く場合もあります。
売却前にリフォームをするよりもその金額分を値引きしたりインスペクション(建物状況調査)をいれた方が、売れやすい場合もあるため自分で判断するのは危険です。
ただ屋根の防水が不十分で天井から漏水していたり、外壁に大きなヒビが入っている場合などは、放置せず建物自体を守るためにも、最低限の修繕が必要といえます。
また、何十年も築年数が経過した建物がある場合は、解体をして更地にする選択肢もあります。
この場合も判断は難しいため、売却に慣れている業者に相談しましょう。
古民家が人気のエリアであったり、再建築不可の土地であったりと色々なケースが考えられるからです。
5.販売時期は大切
不動産業界では、4月からの新生活に向けて準備をする人が多い2・3月が一番忙しい繁忙期です。
また企業の異動が10月に多いことから、第2繁忙期が9月ということもあります。
販売活動の開始は早いに越したことはないですが、繁忙期までには情報がネット上に公開されているのが理想です。
たくさんの人の目に触れる機会がなければ、一戸建てのスムーズな売却は難しいといえます。
特に一戸建ての売却では、転勤や入学、入園など4月から新生活をむかえる家庭がメインターゲットなので、繁忙期を絶対に外さないよう逆算して売却活動を開始しましょう。
6.内覧対応は家のことが一番わかる人のみで
内覧の応対をするのは、売りたい一戸建てについて一番よく分かっている人のみで行うのが好ましいです。
人が何人もいるとそれだけで、家が狭く感じてしまいますし、内覧する側、応対する側も集中できません。
こどもがいる場合は、外出させたり預かってもらいましょう。
またペットを飼っている場合は、可能であれば誰かに預けましょう。
ペットが吠えたり付きまとったりすると内覧の邪魔になってしまいますし、動物嫌いの人もいるためです。
7.スムーズに売却するために!一括査定サービスの利用
一戸建て住宅売却を計画している場合、どのくらいの金額であれば売却可能であるかを知ることは絶対に必要です。
けれども一戸建ての価格は、自分で売却可能金額を調べられるほど、単純なものではありません。
先述のとおり、マンションの売却に比べ一戸建ての売却には時間がかかります。
少しでも早く後悔のない販売活動を始めるために、あなたが売りたい一戸建て住宅の売却を得意とする地元密着から大手まで複数の不動産業者から査定をしてもらえる『不動産一括査定サイト』の利用をオススメします。
金井
生まれも育ちも仕事も大好きな横浜で人生の大半を過ごす。 地場の建設会社にて施工管理を学ぶ(某有名人宅の新築工事に工事主任として1年間従事)。 同社で不動産の営業、企画にも携わる。 その後、大手不動産会社へ転職し管理と仲介営業を経て2017年に不動産会社を起業。 保有資格:宅地建物取引士、二級建築施工管理技士 |
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