不動産購入の手付金とは?相場と契約解除について

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2018.12.14

目次

不動産の売買契約を結ぶ時には、手付金が必要です。

いくら必要なのか?手付金を払うともうキャンセルはできないのか?

不動産購入の手付金は額も大きいので、いつまでに、いくら必要で、払ったらキャンセルができるのか詳しく説明します。

手付金とは

売買契約を結ぶと、手付金を買主は売主へ支払います。

払ったお金は、最終的には売買代金の一部になります。
そして、所有権の移転と同時に残りの売買代金全額を売主へ支払います。
住宅ローンを組む人であれば、頭金から手付金を払い、住宅ローンの実行がされ、残りの売買代金に充てられることになりますね。

手付金の用意ですが、売買契約を結ぶことが、つまり手付金を支払うタイミングです。
不動産売買では、売買価格も何千万の取引ですから、手付金の金額も高額になります。

相場は100万円や、売買代金の5%〜10%が多いですが、売買代金の大半を住宅ローンで賄う予定である場合、頭金がなければ、手付金も少なくならざるを得ません。

具体的な手付金の額は当事者間で決めるものであるため、手付金をいくらにするかは、重要事項説明と売買契約の前にあらかじめ確認することになります。

住宅ローンで手付金を払うことはできませんので、頭金と相談して出せる金額が手付金になります。

また不動産業者が売主の場合は、宅地建物取引業法の定めが適用されますので、手付金の上限は売買代金の2割までです。
さらに、不動産業者が手付金の保全措置を講じる必要がない建築中物件で売買代金の5%以下かつ1,000万円以下、完成済み物件で10%以下かつ1,000万円以下が上限になることが多いです。

保全措置とは、銀行や保険で手付金を保証してもらうもので、不動産業者が手続きをしなければなりません。
ちなみに売主も買主も個人の消費者の場合は、保全措置は関係ありません。

消費者保護の立場から、プロの不動産業者が売主、専門的な知識のない個人の消費者が買主の時に宅地建物取引業法の保全措置が適用されるからです。

例えば、手付金を支払った後に、不動産の引き渡しを受けるまでの間に業者が倒産すると、手付金が返ってこなくなってしまうリスクがありますね。

しかも、手付金は高額であればあるほどリスクも高くなります。
これを防ぐために、保全措置があります。

例えば、銀行による保全措置であれば、手付金に対して、不動産業者は銀行に保証人になってもらう手続きをします。

そして、保全措置には銀行に対して費用を支払い、時間もかかります。
保全措置をするというのは、手間も費用も不動産業者負担のため、あまりやりたがりません。

ちなみに保全措置は、建築中物件の5%超または1,000万円超、完成済み物件の10%超かつ1,000万円超では必ず講じる必要がありますが、これを下回る場合は任意(保全措置を講じても良い)のため、わざわざ不動産業者は保全措置を講じません。

保全措置は講じて欲しいと思うのかもしれませんが、多くの手付金が必要と思っておきましょう。

手付金と仲介手数料

手付金は買主が売主へ支払うもので、仲介手数料とは異なります。

仲介手数料は売買契約時と、物件引き渡し時の2回に分けて半分ずつ不動産業者へ支払うケースが多く、単純計算でも手付金と仲介手数料で、契約時に100万円〜200万円程度のお金が必要になります。

頭金が少ない場合は、やりくりを考える必要がありますね。

手付金の種類

手付金には3種類ありますが、不動産取引では解約手付とされることが一般的です。

  • 証約手付 : 契約が締結された証明とするもの。
  • 違約手付 : 契約違反があった場合に、違約金として取られるもの。
  • 解約手付 : 手付金を放棄する、または倍額を渡すことで契約を解除できるもの。

この中でも不動産取引では、手付金は解約手付として取り扱われます
手付金は万が一、売買契約を白紙にしたい(キャンセル)ときに重要になります。
そもそも、売買契約を結んで解約はできるのかと疑問に思う人もいるかもしれませんね。

実は、相手方が契約の履行に着手するまでは売買契約を解約できます。
解約の理由は、もっと良い物件が見つかった、転勤が決まった、建築中だったが完成の目処が立たなくなったなど、売買契約後の解約は全くない話ではありません。

もちろん、売買契約を結んで、売買が決まったと思っていたのに、軽々しく解約されてはたまったものではありませんね。
そこで、解約手付のシステムというのは、買主から解約を申し出たときは、払った手付金を放棄(返還しない)して、売主からの解約の申し出は、手付金の倍額を渡すというものです。

買主は払った手付金を放棄することで、解約できるため、あまりに少ない手付金では、心理的に解約がしやすくなりますね。

そのため、フルローンでほとんど頭金がない場合に10万円程度の手付金で売買契約を結ぶことは稀にありますが、手付金は可能な限り多い方が売主としては安心です。

少額の手付金のパターンとして、売主が不動産業者であれば、売るためには背に腹は変えられないので、手付金で100万円は到底払えないとなれば、10万円で売買契約を結ぶこともします。

売買価格が高額になるほど、多くの手付金を求められます。
売主も簡単に買主を裏切ることは許されませんから、手付金の倍額を渡さなければ解約ができないのです。

さて、ここでもう一つ疑問になるのが、契約の履行に着手とはいつかということですね。
実は、明確な定めがあるわけではなく、判断が難しいところなのです。

一般には、例えば買主が住宅ローンの審査をした程度の段階では、履行の着手とはいえず、最終的な住宅ローンの契約であったり、残金の振込を行うタイミングが履行の着手とされるようです。

売主としても、契約が終わった段階では、履行の着手とはいえず、所有権移転登記の具体的な手続きをするタイミングが履行の着手とされるようです。

新築物件の引き渡しは、数ヶ月を要することがありますが、そんなときは意外に直前まで契約の解除ができるということです。
ちなみに売買契約書や重要事項説明書の条項の中にあるローン特約というものも実は重要です。

買主は、売買契約と住宅ローンの審査を同時に進めていくことになります。
売買契約後に住宅ローンが通らないと分かることもあります。
ローンが通らなければ、つまり購入ができなくなりますよね。

このとき、支払った手付金はどうなるのでしょうか。
このようなケースでは、ローン特約というものが適用され、支払い済みの手付金をそのまま返還してもらえ、売買契約が白紙にされます。
ローンが通らない責任までは、買主は負う必要がないのです。

申込金(申込証拠金)とは

手付金と残代金の支払い以外に、申込金を求められることがあります。

中古不動産を購入するときは、申込金がないこともありますが、新築物件を不動産会社から購入するときは、申込金があることが多いです。

申込金は明確な定めはありませんが、10万円であることが多く、契約行為ではないので、手付金とは異なり売買に至らなかった場合は、返却されるものです。

申込金を納めるということは、優先順位1位を確保するようなニュアンスで、数日以内に正式な売買契約を結ぶ流れになります。

申込だけでは契約は成立しませんが、契約の前段階として申込金が必要なことがある、と覚えておきましょう。

手付金の額は当事者間で決める

手付金を支払うことで売買契約が成立したことになります。

金額については、可能な限り多い手付金が望ましいですが、あくまで当事者間の相談によって決められます。

不動産業者が相手であれば、10万円で契約できることもありますが、頭金の額と仲介手数料も考慮して交渉しましょう。

また、家を売る側の立場であれば、手付金を受領することになりますので、取扱やキャンセルには注意が必要です。

soraki

宅地建物取引士を取得し、ディベロッパーのマンション営業として企画、集客、顧客の住宅ローンの審査まで幅広く携わる。 新築分譲マンションのモデルルームでの接客をしながら、審査の通りにくい顧客にも対応し、住宅ローンを提案。 その後、マンション管理会社に転職し、フロント営業となる。修繕の提案や長期修繕計画の作成など、管理業務主任者として分譲マンションの管理組合運営に関わる。

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