現役不動産屋が教えるマンション売却の基本マニュアル

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2018.12.26

目次

誰しも大きな金額を取り扱うことになる、マンションの売却で失敗はしたくありません。

ここでは、どのケースにも当てはまる『マンション売却の基本マニュアル』として初心者のあなたにも分かりやすく解説していきます。

マンション売却の流れ

STEP.1 査定(調査)

マンションを売却するうえであなたが最初にしなければならないことは、ざっくりどのくらいの金額ならば売却が可能か知ることです。

自分で調べることもできないわけではありませんが、時間と手間もかかるうえに正確性に欠けます。

そこで不動産一括査定サービスの利用という選択肢があります。

かんたんな情報を一度入力するだけで、複数の不動産業者から一括で査定金額を提示してもらうことが可能です。

不動産業者はレインズというネットワーク・システムを使って同一物件(近隣物件)の成約価格を調べられるので、大体の売却可能金額を算出できます。

マンションは所有している限り、毎月の管理費と修繕積立金(借りていれば駐車場代金)がかかりますので時短のためにも不動産一括査定サービスの利用をオススメします。

またマンション売却の方法として2つの方法があることを知ってますか?

仲介』と『買取』という手段です。

仲介は不動産業者に売却を依頼して買主を探してもらう方法で、一般的に高く売ることが可能です。

多くの人がマンション売却手段として仲介を選びますが、必ずかかる費用として仲介手数料が発生します。

買取は不動産業者に直接買い取ってもらう方法で、仲介手数料が発生しません。
そして瑕疵担保責任(隠れた欠陥などを保証する義務)がありません。

買主を探す手間がないため早く売りたい人にオススメです。

いいことづくめに感じますがデメリットとして、売却額は市場の7~8割となってしまうケースが多いです。

またマンション売却で買取を選択する場合、業者がリフォームして再販売することが多いため、事前のリフォームは一切不要です。

STEP.2 媒介契約(仲介業者選定)

おおよその査定額が分かったら、次は仲介業者を選ぶ必要があります。
どの不動産業者に販売活動を任せるかを書面(媒介契約書)で明記し契約を結びます。

媒介契約には下表のとおり3種類の契約形態があるのでそれぞれの特徴を理解しましょう。

  専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
他業者への依頼 × ×
売主自ら買主を見つけた場合の直接取引 ×
契約期間 3ヶ月以内 3ヶ月以内 実務上3ヶ月以内※1
レインズ※2への登録義務 契約から5日以内 契約から7日以内 義務なし 任意で可
売主への状況報告義務 1週間に1回以上 2週間に1回以上 義務なし

※1 法令上の制限はなし
※2 レインズとは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構のこと

大きく違う点は、売却の仲介を1社に専任(専任媒介)で任せるか複数社(一般媒介)に任せるかです。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、いかに信頼できる担当と出会えるかが重要になります。

私の経験上、基本は業者1社に専任で任せて販売に注力してもらい、自己で見つけた買主とも取引が可能な専任媒介契約をオススメしています。

売主であるあなたが自分でお客さんを見つけたのに、仲介手数料を媒介業者に支払わなければならないのはナンセンスです。

また、売りが出ればすぐに決まるような人気のあるマンションであれば、複数社に依頼が可能な一般媒介契約を大手の業者と結ぶという選択肢もあります。

知名度が高い大手の業者であれば、顧客リストの中に人気マンション取得希望のお客さんをすでに抱えている可能性も高いからです。

STEP.3 販売(広告~内覧)

マンションを購入しようとするお客さんは不動産会社を訪れる前に、事前にネットを使って下調べをします。

このため販売広告は、主要ポータルサイトへの登録が必須です。

競合物件よりあなたのマンションを目立たせるため、事前に室内写真や動画の撮影を業者に依頼しましょう。
写真で設備や室内の明るさ、バルコニーからの眺望など細かな情報が分かれば、購入意欲の薄いお客さんによる不要な内覧の予防にも繋がります。

新聞の折り込み広告や近隣へのポスティングは二の次で構いません。

あまりにも問合せがない場合は、物件の売出価格が高すぎるか業者が販売活動をしっかり行っていない可能性があります。

疑問があったら適宜業者へ確認しましょう。

購入の意思があるお客さんから業者へ問い合わせがあったら、次は内覧です。

内覧にあたっては出来る限り室内を明るく・広くみせる必要があります。

そして水回りは念入りに清掃しましょう。

後々のトラブルやキャンセルを防ぐためにも、知っていることを隠したり、ウソは絶対にNGです。

売却理由など想定される質問は、事前に業者と話をしておきましょう。

またマンション共用部が汚れていたり、共用廊下の照明が切れていたりすると買主へのイメージが悪くなるため、事前にチェックして管理会社に問い合わせましょう。

内覧を終えたお客さんに購入意思があった場合、購入金額、手付金、契約や引渡し希望日などが記載された申込書が届きます。

ここで注意したいマンションの売却では、売出価格で申込が入ることのほうが少ない点です。
少しでも安く購入したい買主は、指値といって割引した金額を提示してきます。

あくまで決定権は売主であるあなたが握っていますので、あまりにも相場とかけ離れた金額で申込が入った場合は強気の姿勢で交渉に臨みましょう。

STEP.4 売買契約(重要事項説明と手付金受領)

売主、買主双方の意思が合致すると売買契約を締結します。

・重要事項説明
売買契約を結ぶ前に双方で「こんなこと聞いていない」などといったトラブルを未然に防ぐため、重要事項の説明を行うことが法律で義務付けられています。

実務上はデータや紙媒体で事前に記載内容を確認し、売買契約締結時に重要事項説明を行うことが多いです。

重要事項説明とは物件詳細や取引条件などが記載された、重要事項説明書に記名押印した宅地建物取引士が宅地建物取引士証を提示したうえで説明することです。

マンション売却の場合の重要事項説明書追記項目は以下のものがあります。

  • 敷地に関する権利の種類及び内容
  • 共用部分に関する規約等の定め
  • 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約等の定め
  • 専用使用権に関する規約等の定め
  • 所有者が負担すべき費用を特定の者にのみ減免する旨の規約等の定め
  • 修繕積立金等に関する規約等の定め
  • 通常の管理費用の額
  • マンション管理の委託先
  • 建物の維持修繕の実施状況の記録

あなたが情報を調べる必要は一切なく、マンション取得時の契約書類や管理規約、総会議事録などを業者へ提示すれば、あとは業者が書類を作成してくれます。

文字や数字がたくさん記載された書面は、少なからず抵抗もありますが、間違いや記載漏れがないよう必ず一読しましょう。

疑問点や分からないことは業者へ確認することをオススメします。

・売買契約の流れ
売買契約は基本的に売主、買主、不動産業者が一堂に会し、売買契約書に記名押印を行います。

契約場所や日時は事前に調整が必要ですが、希望があれば業者へ伝えましょう。

また経験上、契約締結完了までどんなに早くても1時間は要します。

時間が押したり急なトラブルにも対応できるよう、少なくとも半日はスケジュールを空けておきましょう。

契約時に受領する手付金(売買金額の10%程度が一般的)は、現金で受領するケースが多いです。

大金を持ち歩きたくないなど現金を受領するのが難しい場合は、振込や預金小切手など別の対応も可能なので事前に業者へ相談しておきましょう。

STEP.5 引渡し(残代金受領)

売主は売買金額から手付金を引いた残代金を受領し、鍵などを買主へ引渡します。
不動産業界では、「決済」ともいいます。

決済の場所は買主指定の金融機関が多いです。
契約時の一同が揃い、加えて所有権の移転や抹消の登記申請を行うため、司法書士が同席します。

司法書士が登記関係の書類を準備して説明もしてくれますので、署名押印をします。
(決済時に預かった書類を後で登記申請するので、実際に登記識別情報が買主へ送付されるのは10日ほど経過してからです。)

マンション売却の場合は、取扱説明書・販売時のパンフレットとともに、総会議事録も引き渡すため、決済場所に持参が大変な書類などは、お部屋の分かりやすい場所に置いておき、買主へ教えてあげましょう。

残代金の着金確認がとれたら鍵などを引渡して完了となります。
(月末などで金融機関の混雑状況から着金確認に時間がかかる場合があります。)

+α 確定申告

マンション(家)を売却した場合は、翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告をする必要があります。

売却をして利益がでた場合は、譲渡所得税を納めなければなりません。

逆に売却によって損失がでた場合は、給与所得などと通算して税金の還付や減額される場合があります。

マンション取得時と売却時の資料や仲介手数料の領収書などを準備しておきましょう。

なお添付書類は全て写しで大丈夫です。

申告書の記載方法などは税務署で優しく教えてもらえるので、マンション売却をしたら翌年度末に確定申告の必要があると覚えておけば十分です。

マンション売却にかかる費用

マンションを売却すると、売買代金をもらうことができますが別途費用がかかります。

どんな費用がかかるのか、事前にポイントを押さえておきましょう。

仲介手数料

仲介業者へマンション売却を依頼をする場合、仲介手数料が発生します。

不動産業者の儲けにあたる部分で、マンション売却のなかで一番お金がかかる費用です。

一番かかる費用とはいえ、早い段階から手数料の値引きを考えるよりは、高く売ってもらうことに専念してもらいましょう。

よく用いられる仲介手数料の簡単な計算方法(400万円以上)は、

(不動産売買価格×3%+6万円)×消費税

で算出可能です。

例えば2,000万円でマンションを売却した場合、
(66万円)× 消費税となります。

仲介手数料を支払うタイミングは、媒介契約書面で取り交わしますが、マンション引渡し時に100%もしくは売買契約成立時と引渡し時に50%ずつの支払いが多いです。

契約書貼付用収入印紙代

売買契約書に貼付する収入印紙代がかかります。
売買契約書は印紙税が課される課税文書のため、印紙を貼付して消印をすることによって納税したことになります。
通常売主と買主で各1部ずつ契約書へ記名押印のうえ保管し、費用は双方が負担します。

記載された契約金額 税額
10万円を超え 50万円以下のもの 200円
50万円を超え 100万円以下のもの 500円
100万円を超え 500万円以下のもの 1千円
500万円を超え 1,000万円以下のもの 5千円
1,000万円を超え 5,000万円以下のもの 1万円
5,000万円を超え 1億円以下のもの 3万円
1億円を超え 5億円以下のもの 6万円
5億円を超え 10億円以下のもの 16万円
10億円を超え 50億円以下のもの 32万円
50億円を超えるもの 48万円

※2020年3月31日までの間に作成される契約書についての軽減措置が適用されています。
(上記期限は以前から、期限到達前に延長されています)

登記費用

住宅ローンを組んでいる場合は、抵当権抹消登記を住み替えの場合は住所変更登記が必要になります。

これら登記手続きは司法書士に依頼をするため、交通費や手数料を含め売主が負担しなければなりません。

物件によって増減しますが、だいたいのケースで数万円かかります。

一括での繰上返済手数料

住宅ローンの契約内容によって繰上返済手数料が発生する場合があります。

事前に金融機関へ確認しましょう。

マンション売却で戻ってくる費用

マンション売却によって決済(引渡し)時や決済後に返金されるお金があります。

固定資産税、都市計画税

マンション売却時、既に売主が1年分の固定資産税および都市計画税を納税している場合は所有日数分を日割り計算して決済時に買主から返金してもらえます。

不動産業者が精算書を作成してくれます。

管理費、修繕積立金

マンションでは管理費や修繕積立金を事前に引落などで管理会社や管理組合へ支払いをしているケースが多いです。

税金と同様に買主の所有日数分を日割り計算して、決済時に買主から返金してもらえます。

不動産業者が精算書を作成してくれます。

団体信用生命保険保証料

マンション購入にあたり住宅ローンを長期で組むとき、有事に備えて団体信用生命保険(団信)への加入が条件の場合が多いです。

マンション売却時に保証料と残ローン期間に応じて、団信保証料の返金があります。
この団信保証料は金融機関が住宅ローンの金利に上乗せしている場合もあるので、必ず返金があるわけではありません。

抵当権抹消にあたり金融機関へ必ず連絡をするため、保証料の返金があるか確認しましょう。

火災保険料や地震保険料の返金

火災保険や地震保険の残契約期間に応じて保険料の返金があります。

マンション売却によって勝手に返金されることはなく、あなた自身で保険会社へ連絡をする必要がありますので、忘れずに解約手続きを行いましょう。

マンション売却の3つのポイント

リフォームの可否

中古マンションでは築浅の物件でない限り、そのまま購入者が入居するケースは少ないです。

あなたがリフォーム工事を原価でできるなら話は別ですが、例えば300万円のリフォームをしたからといって、販売価格を300万円上乗せできる訳ではありません。

リフォームするよりもその金額分を値引きした方が、売れやすいといえます。

リフォーム可否判断は業者に相談して、最低限の修繕程度にしましょう。

売出価格は端数を!

マンションの購入を考えているお客さんは、予算で物件を探すときに『3,000万円未満』といった具合に上限が決まっている場合が多いです。

このため3,000万円とキリのいい金額で売出価格を設定してしまうと、エンドユーザーがポータルサイトなどで物件を探すときに、検索に引っかからないため、せっかくの物件を見てもらえません。

20万円の損をするかもしれませんが、2,980万円など端数をだして売出ししましょう。

売出価格には指値が入ることがほとんどですし、早く売れると精神的にもラクです。

また日本では先人もやってきた〇キュッパには、お得に感じる心理的作用があるとされています。

一括査定サービスの利用

地元密着から大手まで複数の不動産業者から、あなたが売りたいマンションの査定金額を提示してもらえるので便利です。

大体の売却可能金額を知ることは絶対に必要ですので、マンション売却の第一歩として一括査定サービスの利用をオススメします。

生まれも育ちも仕事も大好きな横浜で人生の大半を過ごす。
地場の建設会社にて施工管理を学ぶ(某有名人宅の新築工事に工事主任として1年間従事)。
同社で不動産の営業、企画にも携わる。
その後、大手不動産会社へ転職し管理と仲介営業を経て2017年に不動産会社を起業。
保有資格:宅地建物取引士、二級建築施工管理技士

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