家を売るのに騒音は告知義務?どこからが騒音?伝え方と売り方

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2020.02.26

目次

騒音がするから家を売りたい、騒音があることは買主に伝えるべき?

もし騒音が原因で家を売るとなったら、正直にどこまで話すべきか悩みますね。

どこからを騒音とするかも曖昧ですし、もしかしたら買主にとっては気にならない程度の音かもしれません。

騒音が告知義務といえるのか、騒音問題の裁判の行く末について、実際の家の売り方を紹介します。

騒音は告知義務?

騒音が原因で家を売りたいとき、騒音がするので・・・とは言いづらいですよね。

そもそも物理的な瑕疵(かし)ではないので、告知義務になるのかが曖昧になっているところがあります。

しかも何をもって騒音とするかというのも曖昧なところ。

騒音の種類

騒音の発生源は、人が出す生活音、周辺環境によるもの、住宅の設備によるものに大きく分けられます。

人が出す生活音はいわゆる上下階や隣接住戸の騒音問題です。

上階の生活音や子供が走り回る音が気になるといったケースは多く見られます。

人によって騒音と感じるかは異なりますし、伝えるべきか最も迷うパターンかもしれません。

子供がどうしても苦手、走り回る音に耐えられない、というような買主には事実として伝えるべきでしょう。

「上の部屋の子供の足音がうるさい」だときつい言い方になるので、「子供がいるようだ」といった柔らかい言い方にしても良いかもしれません。

そこまでひどいわけではなく、毎日ではなくたまにであったり、1日の中でも限られた時間だけ、という生活音の範疇であれば告知義務が必要といえるほどではありません。

ただ、マンション全体で誰でも知っているような大きな騒音問題がある時は、買主へ伝えた方が良いかもしれません。

告知しなければ買主が、後から事実を知ってしまいトラブルの元になるかもしれません。

周辺環境によるものは、付近に大きな音がする工場があったり、幹線道路や線路沿いにある、といったもの。

重要事項説明書には「本物件周辺の工場及び周辺道路から騒音等が発生することがあります」といった表現になります。

こういった書き方で告知義務としては十分果たしており、逆に音の発生元が明らかで騒音がひどいのであれば、買主が契約までに気づくべきであるという判例が出ています。

住宅の設備によるものとは、例えばマンションのエレベーターの機械室や給水用のポンプの作動音といった特定の住戸にのみ音が聞こえやすいというような騒音です。

多くは日常生活に支障をきたすものではないので、告知義務があるとまでは断定できませんが重要事項説明書で「エレベーター機械室、給排水設備等から騒音・振動等が発生することがあります」等の記載をすれば足ります。

多くの人は、この表現で機械の音が多少するのは当たり前のことと受け止めますが、一部の心配性な買主であれば詳しく聞いてくるかもしれません。

こういった場合では、音の問題は感じ方がそれぞれなので、内覧(内見)で実際に体感してもらうのがお勧めです。

のちのちトラブルになったとしても重要事項説明書を含め、書面で残っているものが最も効力がありますが、まずは「音はしない・大丈夫」のような断定的な表現は家を売る時はしないのが一番です。

基地周辺の騒音問題の裁判

平成9年に浦和地裁であった基地周辺の戸建住宅の購入者が騒音について、事業者が告知義務を怠ったと訴えた事例です。

航空機の航路の真下にある戸建分譲住宅は、離発着時の騒音が激しい場所でした。

ピーク時で最大97デシベルの騒音とのことで、これは誰でもうるさいと感じられるレベルです。

訴えは棄却されているのですが、判決としては大きく4つです。

・公害問題については告知すべき事項とはいえない
・誠実性の観点から告知義務を負う場合もあるが、本件では航空機の騒音は契約までに気づけることである
・基地周辺の騒音は周知のとおり
・騒音の程度もごく限られた時間内で、受け止め方には個人差がある

事業者が意図的に隠したわけではないとして、訴えが退けられました。

ここで注目すべきは周辺に騒音が発生すると明らかな施設があっても、それは買主で気づけるものであると指摘したところや大きな音でも限られた時間であれば、感じ方には個人差があるとしたところです。

おそらく基地があることについては、購入者も知っていたと思われますが、次に上げる判例もしかり、騒音や振動について争った判例でいえることは、購入者としては実際に住んでみたら気になって…という心理があるのかもしれません。

騒音について虚偽の報告をしたと訴えた裁判

平成29年の東京地裁であった中古の戸建を購入した買主側が、周辺道路からの騒音や振動について、売主と媒介業者に虚偽の報告をされたと訴えた事例です。

売主が訴えた虚偽とする内容は次の通り。

1.重要事項説明書の騒音・振動・臭気等の欄には無と記載していた。
また、騒音や振動について買主が確認したところ、騒音や振動はなく、生活音のみであるとの説明を受けた。
媒介業者は何度も物件に訪れているのだから、当然騒音について気づいていたはずである。
2.売主は騒音に悩まされていたのにもかかわらず告知することをしなかった。
1については、重要事項説明書の騒音・振動・臭気等の欄には‘無‘’と記載されていたが、
「本物件敷地の前面道路および周辺道路は、公道であり通り抜け可能であるため、不特定多数の歩行者や大型車両等を含む各種車両等が通行し、通り抜ける場合があります。
また、それらの通行に伴い騒音および振動が生じる場合があります。」との記載はある。

これを受けて裁判所は「買主は現地を確認しており、騒音や振動の程度は確認できたはず」との判断を下した。

買主側が示した屋外での騒音の測定は、環境基準値を昼間、夜間ともに下回っていることや、屋外での測定結果はあるが、屋内での測定結果ではないことが指摘された。

また買主側が提示した「売主は騒音に悩まされていた」とする証拠も客観性が乏しいと否定された。

重要事項説明書としては問題がないと感じられますし、どこまで伝えるかというのが難しいと感じる判例です。

幹線道路沿いに住んだことのない人は想像がつかないことがあるのですが、交通量が多い道路は窓を閉めた夜間でも音がします。

マンションであれば上層階の方が遠くの音まで聞こえてしまい、うるさく感じるなんてことも。

騒音と認められる基準

音として70デシベルを超えてくると、多くの人にとってはうるさいと感じられるようです。

例として、掃除機の音や間近でのセミの鳴き声が70デシベル程度と言われ、長時間続けば誰しもが不快に感じる騒がしいレベルですよね。

家を売る時に、告知義務として責任を問われるキーワードは2つです。

1つは、買主が注意すれば見つけられたか。

買主が現地も物件も見ずに買うということは考えられませんよね。

内覧の時に見える、感じられる騒音については買主が気付いているものとされます。

買主が通常見つけられる範囲のことについては、売主は責任を問われません。

夜間のことや季節や気象条件によって起因するなど、通常は気づきにくいであろう騒音については告知した方が良いと言えます。

例えば早朝や深夜にトラックなど出入りが多い施設がある時など特殊なものは、買主も気づきにくいので伝えておく方が良いかもしれません。

2つめは、受忍すべき程度であるか。

受忍限度内であるかというのは裁判でもよく争われるところです。

ずっと音がしているのではなく、時より音がする、日常生活に影響はない程度であれば騒音とまではいえません。

騒音が原因の家を売る方法

騒音は人によって感じ方に差があるため、どこまで伝えるべきか、どんな風に伝えるべきか悩むところです。

マンションの住民による騒音問題であれば、管理会社へ対応依頼するのも手段のひとつです。

また、窓の内側にさらに窓を取り付ける二重サッシや、壁面に防音パネルを設置する防音対策工事を行うのも一つの手かもしれませんが、騒音が全くなくなるわけではありませんし、振動はあるかもしれません。

手っ取り早く家を売りたいのであれば、業者に買取をしてもらうと良いでしょう。

売却額は安くなってしまうというデメリットはありますが、売主としての契約不適合責任を免責としてもらうことが可能なのと仲介手数料が不要となるのは魅力です。

買取と仲介どちらにしてもまずは、「不動産一括査定サイト」を利用して不動産業者に実際に相談してみるのが一番です。

相談することで個人の感じ方の問題か、誰しも不快に思う騒音なのか意見を聞くことができますし、重要事項説明書の内容についても知ることができます。

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soraki

宅地建物取引士を取得し、ディベロッパーのマンション営業として企画、集客、顧客の住宅ローンの審査まで幅広く携わる。 新築分譲マンションのモデルルームでの接客をしながら、審査の通りにくい顧客にも対応し、住宅ローンを提案。 その後、マンション管理会社に転職し、フロント営業となる。修繕の提案や長期修繕計画の作成など、管理業務主任者として分譲マンションの管理組合運営に関わる。

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