定期借地権付きマンションは売れない?売却のしやすさや住宅ローンの組みやすさで見るメリット・デメリット

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2018.10.16

目次

定期借地権付きマンションはご存知ですか。

駅前であったり、一等地のマンションなのに随分安いなと思った不動産広告を見たことはありませんか。おそらくそれは定期借地権付きマンションです。

日本古来のマイホームのイメージとは少し違う定期借地権について説明します。

定期借地権(ていきしゃくちけん)とは

定期借地権は、略して「定借(ていしゃく)」と呼ばれることもあります。

  • 定期:期限のある
  • 借地権:土地を借りる

という意味で、期限を定めて土地を借りて住むという形態です。

3種類ある定期借地権の中でも定期借地権付きマンションは、だいたい一般定期借地権です。

一般定期借地権とは、50年以上で期間を定めて契約、期間満了後は更地にして必ず地主に土地を返すというものです。

更新が認められないという特徴があります。

土地を返すというのが分かりにくいですが、簡単にいうと契約期間は住めるが、期間が終わったら住めなくなるのが定借マンションです。

不動産において、日本では土地とその上の建物は別の不動産として扱われます。定期借地権付きマンションでは、土地については借り物で、建物については所有という少々分かりにくい権利関係になるのです。

分譲マンションでは、一戸建てほど土地について所有権があるイメージが持てませんが、定期マンションではない分譲マンションでは、部屋の広さに応じて土地についての権利も持っているのです。

一般的には、定期マンションの土地の契約期間は50年であったり、長いと70年であったりします。

定期借地権というのは、平成4年に制定された借地借家法(しゃくちしゃっかほう)で始まりました。

それまでも借地についての法律はありましたが、契約期間を終えても土地を返還してもらえないトラブルもあり、地主の立場がやや弱いものでした。

そこで、平成4年に定められた借地借家法により、地主の立場も守られる期間限定の更新できない借地契約が誕生したのです。

また、マンションほど一般的ではありませんが、一戸建てにも定期借地権付きの住宅はあります。

定借マンションはメリットを感じられる人と、デメリットしか感じない人に分かれます。

一定期間しか住めないことが最初から分かっているのが、定借マンションです。

定借マンションのメリット

誰もが知ってるような一等地であったり、駅前に所有権タイプのマンションを買うよりも、3割程度安く購入できるということです。

単純計算で、一般的なマンションが5,000万円する場所で、定借マンションを買うと3,500万円程度ということになります。

都心に住みたくても手が出せないという人にとって、値打ち価格で買える魅力は大きいですね。

また、いい場所に土地を持っている地主にとっても、所有権を手放すというのは躊躇いがあるでしょう。

しかし期間限定の借地であれば、資産活用もできメリットが生まれます。

いい土地に何十年後かに必ず返還される契約だからこそ、マンションを建てることができるという側面もあります。

地主からいい土地を提供してもらう手段であるとも言えますね。

期限付きといえど、自分の一代限りの住処として50年や70年あれば足りると考えることができれば、いい意味では後々に相続で揉めたり、建て替え問題で揉めたりすることが、発生しないという考えもできます。

あまり知られていませんが、マンションを一棟建て替えるというのは本当に大変で、まずはマンションの所有者で5分の4以上の賛成を固める必要があり、さらに築年数が古ければ所有者が高齢化していることも多く、建て替えに意志が固まるともいえません。

今後、建て替えたくても建て替えられないマンションが増えるでしょう。

借地権が切れるタイミングで引っ越すことが分かっている定借マンションでは、こういった建て替え問題に頭を抱えずに済みますね。

別に土地を持っていたり、将来的には実家を継ぐために、マンションに住む期間は限られていたり、期間限定であった方がかえって助かるという人にも向いているでしょう。

不動産を所有したいというよりも、利用したいと考える人向きということはよく言われます。

ただ、平成4年から始まった新しい一般的定期借地権という契約は、まだ50年の期間満了を迎えたマンションがなく、定借マンションとしての終わりの実態は見えていません。

定借マンションのデメリット

定借マンションのデメリットとして、ランニングコストが高めになります。
購入するよりもレンタルの方が高くつく原理と同じです。

分譲マンションでは、管理費・修繕積立金がかかるのはよく知られています。

定借マンションでは、 さらに地代と解体費も毎月積み立てていくことになります。 

地代は、土地については借りている立場になるので、地主に対して払うことになります。

相場は月15,000円程度と言われますが、都心の一等地では毎月数万円というマンションもあり、購入した価格が安い分、毎月の負担は大きいです。

また、地代は値上げされることが大半で、修繕積立金と同じく年を経る毎に負担が大きくなるものです。

新築時の物件概要に値上げがある旨は記載されていますが、数年置きに値上げの交渉が地主と管理組合(マンション住人全員)とされることが一般的です。

その代わり、土地の所有権がマンション購入者側にはないので、毎年の固定資産税の土地の分は地主に課税されます。

定借マンションに住む人は、建物のみの固定資産税を払うだけ。
しかも 建物の固定資産税は建築年数が古くなると、減価償却で安くなっていきます。 

解体費は、定期借地権の期間満了のときに更地で返すために、建物を壊す費用をみんなで貯めなければなりません。

これは、定期マンションでなければ発生しないお金ですね。

一方で12~13年周期での大規模修繕工事は定借マンションといえど行いますので、修理するためのお金の積み立てと解体のためのお金を積み立てるという仕組みになります。

解体ありきでお金を貯めることや、固定資産税は建物だけ払うが、地主への地代も必要で、日本古来のマイホームという概念とは少し違うのかもしれません。

そして他にも、購入時には権利金という500万円程度のお金が必要です。

大抵は売買代金の表示の横に権利金含むという書き方がされています。

売買価格は定借マンションは確かに安くなりますが、地代も含めた総支払額で考えると、定借マンションはいい場所に建つことが多いので、それなりにコストがかかると思っていた方がいいでしょう。

住宅ローンでは不利

建物については所有権がありますが、土地については所有権がない定借マンションは、やはり不動産の評価としては劣ります。

また新築のときはいいですが、中古になってしまうと、借地権が切れるまでの期間が短くなればなるほど、評価としては低くなります。

住宅ローンが借りる先に困るほどではありませんが、一等地のマンションといえども評価が高くはないということは覚えておきたいですね。

売却はしにくい

定借マンションは所有権タイプのマンションと比べ、購入費用も安くなりますが、もちろん売却の際も安く、場合によっては客がなかなかつかないこともあります。

逆の立場になってみるとよくわかりますが、買うときのメリットはいい場所に安く住める、とりあえず自分が死ぬまでは住める契約だったのに、中古で購入するとなると、年老いた頃に借地権が切れるなんてことになるので、土地まで所有権のあるマンションと比べたら家を売るのは難しいですよね。

定期借地権の残存期間にもよりますが、十分に期間が残っていなければ買っても長くは住めませんし、住宅ローンの年数も長くは借りられません。

良い場所だから簡単に売れるだろう、なんて考えが通じないのが定借マンションです。

いつかは出ていかなければならないという特徴がある定借マンションでは、住まなくなったときの選択肢として、賃貸に出して収入源にするといったような活用法が取られることがあります。

所有権にこだわらなければ、新しい形のマイホームが持てるのが定借マンションです。

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soraki
宅地建物取引士を取得し、ディベロッパーのマンション営業として企画、集客、顧客の住宅ローンの審査まで幅広く携わる。 新築分譲マンションのモデルルームでの接客をしながら、審査の通りにくい顧客にも対応し、住宅ローンを提案。 その後、マンション管理会社に転職し、フロント営業となる。修繕の提案や長期修繕計画の作成など、管理業務主任者として分譲マンションの管理組合運営に関わる。

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