借地権付き不動産は売れない?売却時の注意点と借地権について

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2019.01.18

目次

あなたがお持ちの不動産に借地権はついていませんか?

所有権よりも借地権は売却の際に不利になります。

借地権付き不動産の売却の注意点をご紹介します。

借地権とは

日本では土地と建物は別々の不動産として登記されます。

土地を購入して家を建てる場合、土地には所有権を持っています。

マンションだと土地の権利は見えにくいですが、ほとんどのマンションは土地の所有権付きマンションです。

土地全体に対して、それぞれのマンションの住戸の所有者が持ち分に応じて所有権を有しています。

借地権の場合は、土地は買わず地主から借りることになります。

そして、借りた土地に建物を建ててそこに住むということです。

土地については借り物、建物は所有物と言うことになります。

日本の不動産のほとんどは、土地についても所有権を有していることが多いですが、都心では借地権という形は珍しくありません。

良い立地に割安に住める可能性がある借地権は、不動産価格が高い都心部では、サラリーマンが持ち家を持つ選択肢を広げてくれます。

また、厳密には借地権は地上権と賃借権があります。

地上権は登記され、地主の許可がなくても借りている人は、その不動産の売買ができます。

一方で、賃借権は登記まではしないことが多く、売却には地主の許可を得ることが必要になります。

市場の多くの借地権は賃借権のため、借地権の中でも賃借権について説明します。

借地権の種類

借地権とは借地借家法に基づいた制度です。

1992年8月より前には旧借地法というものがありました。

まず、現在の借地借家法と旧借地法の違いですが、旧借地法では契約満了の際に、地主は正当な理由がなければ、契約更新を拒絶することが難しく、一度貸してしまうと地主に土地が返還されにくいというトラブルがありました。

どちらかというと「借りた人が有利」になっていました。

そこで、地主を保護する契約更新のない「定期借地権」という新しい法律を含む借地借家法が誕生したのです。

借地借家法では大きく2つに分かれています。

それが普通借地権と定期借地権です。

まず普通借地権とは期間満了後更新ができるものです。

当初の期間は30年間、1回目の更新は20年以上、その次以降は10年以上と更新を行うことが可能です。

一方で定期借地権は、更新のない借地権です。

期間が終われば、地主に土地が返還されるため、以前問題だった地主に土地が戻らなくなるリスクが減り、土地が貸しやすくなるメリットがあります。

さらに、定期借地権は大きく3つ種類があります。

一般定期借地権

借地権付き不動産の代表格といえば、一般定期借地権です。

50年以上で契約期間を設け、満了後は更新をすることができません。

契約満了の時、土地は更地にして返却します。

地主へ建物の買取を求めることができません。

建物譲渡特約付借地権

30年以上で契約します。

契約期間が経った時に建物を地主に買い取ってもらうと、借地契約が終了します。

事業用借地権

10年以上50年未満で契約します。

文字通り、事業用の利用を目的としています。

ちなみに、事業用借地権以外の借地権では、用途の定めがありません。

こちらも更地返還の必要があります。建物の買取請求はできません。

借地権のメリットとデメリット

借地権の2大メリット

1つ目が所有権付き不動産よりも販売価格が割安であること。

そもそも借地権付き不動産が分譲される理由は、「割安感」が出せることにあります。

分かりやすい例が、定期借地権付きマンションです。

所有権の場合と比べおよそ8割程度の価格で分譲されます。

定期借地権付きマンションは、都心の主要駅前であったり、人気のエリアなど土地がなかなか出回らないような好立地にあります。

諦めていたような場所で割安に住めるというわけです。

また他の理由もあり、土地が所有権のマンションはデベロッパーが地主から土地を購入することから始まります。

でも、地主の立場になれば、駅前や人気の土地はなかなか手放したくはありませんよね。

しかし、定期借地権であればあらかじめ更新なしの期限付きの土地の貸し出しですから、地主も所有権を手放さずに地代と言う定期収入を得ることができるのです。

昨今では、寺院や神社が地主で、定期借地権でマンションが建つ、というケースも見られます。

マンションだけでなく、定期借地権付き戸建て住宅の分譲もあります。

立地が良くて割安の他に、土地の購入価格がかからない分、広い土地に安く建てられるメリットがあったりします。

以上のように、所有権にこだわらなければ、割安に購入できると言うのが最大のメリットです。

メリットの2つ目が固定資産税の負担がないことです。

建物の部分は所有権を持っていれば、固定資産税がかかってしまいますが、土地については所有者ではないので、固定資産税を負担しなくてすみます。

不動産取得税(購入時に発生)も土地に関してはかかりません。

ただし、地主に対しては契約期間中は、地代を毎月払わなければならないので、必ずしも土地に対してランニングコストがかからないとは言えません。

また地代は経過年数に応じて、地主から値上げの要請がされることが多く、毎月の支出としては、所有権の場合に比べて割高になります。

借地権の3つのデメリット

1つ目のデメリットとして、担保評価は低くなるということです。

不動産とは土地と建物で成り立っていますが、借地権の場合土地については、所有権を有していないので、不動産としての評価は低くなります。

建物は評価してもらえますが、基本的に建物の評価は築年数によって減っていくことになります。

そのため、住宅ローンを組むのは、やや不利になります。

借地権付きであるがゆえに安く購入できているのですから、市場価値としては劣ってしまうのは仕方ないともいえます。

2つ目のデメリットとして定期借地権付きの場合は期限が決まっていると言うことです。

当初は期限も50年だったり、70年もありますから、あまり気になりませんが売却するとなったら別の話です。

築年数が経てば経つほど残りの期限も短くなるわけですから、売却はしにくくなってしまいます。

しかも、もともと担保評価が低いわけですから、それに加えて中古ともなれば、買主が住宅ローンを組むのも難しくなってきてしまいます。

3つ目が売却にあたり、借地権を譲渡することになるため、地主の許可が必要という点です。

借地権の大半を占める賃借権は、不動産の売却に伴い地主の許可が必要になります。

そのため所有権の不動産に比べて、手続きが煩雑になります。

借地権の不動産は売れるのか?

所有権の不動産と比べると不動産の価値とという点で評価は低くなってしまうので、売れにくくはなりますが、売れないと言う事はありません。

借地権の不動産の宿命ですが、あと何年の借地権が残っているかは買主にとって最重要ポイントともいえます。

築年数が経てば経つほど借地権の残存期間が短くなるので、家を売るなら早めに越した事はありません。

建物の価値も古くなれば、経過年数によって低くなっていきます。

普通借地権や、旧借地権であれば、更新が可能なので、定期借地権よりも売却はしやすいといえます。

ただ、定期借地権は絶対ダメかというと、立地の良い定期借地権付きマンションでは、新築時に即完する例は珍しくなく、そういったマンションであれば、築浅のうちは、売却価格がそれほど下がらないという例もあります。

借地権付き不動産の売却理由には、所有権の物件に買い替えたという例も多いですから、ライフスタイルの変化によって売却されることは珍しくありません。

タイミングさえ合えば、借地権付きだからといって売れないことはありません。

宅地建物取引士を取得し、ディベロッパーのマンション営業として企画、集客、顧客の住宅ローンの審査まで幅広く携わる。新築分譲マンションのモデルルームでの接客をしながら、審査の通りにくい顧客にも対応し、住宅ローンを提案。その後、マンション管理会社に転職し、フロント営業となる。修繕の提案や長期修繕計画の作成など、管理業務主任者として分譲マンションの管理組合運営に関わる。

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