住宅ローンが払えない!競売と任意売却の違い!おすすめは?

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2019.03.08

目次

住宅ローンが払えなくなった時に心配になるのが競売ですね。

督促状をそのままにしていると、裁判所からの競売開始のお知らせが届くことになります。

競売になりそうなとき、住宅ローンを借りている人に残された選択肢は任意売却です。

住宅ローン滞納から競売までの流れと、任意売却の仕組みを説明します。

競売とは

住宅ローンを借りると、その住宅は担保として抵当権が付けられます。

もしローン返済が遅れたり、返済できなくなった時、債権者は抵当権のついている住宅を売り払い(競売)、現金化する権利があります。

税金の滞納や、住宅ローン以外のローンの滞納でも、債権者は債務者の財産の差し押さえから競売を行うことがありますが、今回は住宅ローンを滞納した場合の競売請求について説明します。

住宅ローンの延滞状態が数か月続くと、期限の利益の喪失が通知されます。

期限の利益とは、住宅ローンで借りた分は毎月分割払いで返すという権利です。

住宅ローンの契約は「金銭消費貸借契約」といい、延滞をした場合は「期限の利益を失う」ことが定められています。

期限の利益を失ってしまった時、債務者は残りのローンを一括払いしなければなりません。

ただ、ローンを延滞している段階で一括返済などできるお金はない可能性が高いですよね。

一括返済ができなければ、債権者は競売という手段を行使します。

延滞が始まった時、最初は借りた銀行など金融機関からの督促が、途中から保証会社に変わることがあります。

保証会社はある場合とない場合があり、住宅ローンの契約の時点で有無が決まっています。

住宅ローンの経費として保証料を払っていれば、保証会社があるローンです。

保証会社は金融機関に対して、ローン返済が滞るようであれば債務者に代わり、残債務を立て替える役割を負います。

立て替えですから、次は保証会社が債務者に対して代わりに返済をしたから残りの債務を返済するよう求めてきます。

これを「代位弁済」といいます。

金融機関は万が一、延滞されても保証会社が立て替えてくれるので、住宅ローンの貸し出しをしやすいというメリットがあります。

保証会社がないタイプの住宅ローンもありますが、その場合金融期間は滞納リスクを直接負わなければいけません。

それゆえに、審査の難易度は保証会社なしのローンの方が高いと言われます。

代位弁済をされても、借りている人にとっては返済先が変わるだけで、債務があることは変わりませんが、競売まで一歩近づいたということになります。

競売の流れ

住宅ローンの支払いの遅延から競売の決定までは、最短でも半年程度かかります。

流れは次のようになります。

1.住宅ローンの滞納が始まる


2.延滞情報が個人信用情報に登録される

個人信用情報はクレジットカードや各種ローンを借りるときに確認がされるもので、身近なところでは、携帯電話の分割払いでも利用されているので、日常生活で小さなものでも分割払いが申し込めなくなります。


3.期限の利益を喪失し、一括返済が必要になる。場合によっては代位弁済がされる

1回や2回の滞納では、金融機関の催促も柔らかく、この段階ではまだ債務者の返済が難しいことの相談に乗ってもらえる可能性もあります。

しかし、滞納がそのまま続けば金融機関も見切りをつけて、次の段階へ進みます。

任意売却は債権者の承諾なしには進められませんから、債権者との関係が良好であることも大切です。


4.担保不動産競売開始決定通知が届く

債権者が担保不動産について、競売の申し立てを行い裁判所がそれを認めると、裁判所が流れに沿って手続きを進めます。

競売が決まった場合は、債務者が反対の意を示したところで止まることはありません。

競売を止める方法は、債権者に申し立てを取り下げてもらうしかないのです。

競売が決まれば、不動産の登記記録にも差し押さえが残るので、自分の意志だけでは自由に売却はできなくなります。


5.裁判所の執行官の現地調査が入る

現地の住宅の居住者の有無や、室内の写真撮影・状況確認のために裁判所から執行官が来ます。

競売の基準価格を決めるために不動産鑑定士が同行する場合もあります。

執行官の訪問は債務者は拒むことができず、施錠されていても開錠して立ち入ることが認められています。


6.入札の開始

任意売却に移るためには、入札の開始までが期限といえます。

一括で返済できる、売却先が決まっているなど即日、住宅ローンの債務の返済目途が立っていない限り、ここから先は債権者が交渉に応じてくれる可能性が低くなります。

競売は不動産鑑定士が弾き出した売却基準価額が基になります。

一般的な流通価格よりも競売では安い価格が出されます。

競売不動産の購入をしたい人は、売却基準価額の80%以上で入札することになります。


7.開札と売却の決定

期限内に入札があった中で一番高い金額で入札した人が落札し、裁判所が落札者に売却の決定をするか判断します。

基本的には不許可はありませんが、落札者が債務者である場合などは裁判所は許可しないことができます。


8.所有権の移転

落札者が売却先に決定すると、買受人となり代金を納付します。

代金は債権者に配当として回されます。

代金が納付されると、所有権の移転も行われ、所有者が変わりますから、それ以降は債務者は住むことはできず、不法占拠になってしまいます。

競売のメリット・デメリット

メリット

債務者にとっての競売のメリットは、勝手に進んでいくことです。

延滞してもずっと払わなければ、いずれは競売になりますし、競売不動産の所有権移転登記には、元所有者は関係なく裁判所が職権で進めていきますから、最初から最後まで何もしなくても良いです。

また、競売の開始が決まるには最低でも滞納が始まってから半年はかかり、落札者が決まり、物件の明け渡しになれば、もっと先になります。

その不動産に住み続けられる時間という考え方では任意売却よりも長いかもしれません。

デメリット

デメリットは競売不動産になると、不動産の登記記録にその旨が残り、不動産競売物件情報サイトには室内写真も載ります。

ニッチな世界なので、見る人は限られますが、競売不動産になっていることが不特定多数の人が見ることができる情報として残ることになります。

他には競売不動産では内覧制度がありません。

入札する人は裁判所が公開する情報や室内写真のみで落札をすることになります。

このため落札額は高めということはあまりなく、競売落札後も債務者に負債が重くのしかかります。

任意売却とは

住宅ローンを組んでいる人は、すべてのローンを返済しなければ家を売ることができません。

売却益で返済する方法でも構いませんが、売却価格がローン残高を下回る場合は、預貯金の持ち出しがあります。

一般に頭金を2割以上入れると、売却益でローン残高が相殺されることがありますが、最近多いフルローンやオーバーローンで組んでしまった場合、売却益で残高を賄うことはできません。

任意売却は特別に債権者の承諾を得て、残債務が残ったまま住宅を売却することです。

任意売却でも残ってしまった債務の返済義務は残りますが、競売よりも高く売却できる可能性があり、債務がより減らせる可能性があります。

デメリットは競売に比べると、時間があまりないことです。

時間がかかるのであれば、債権者は競売にしてしまえばいいのですから、それよりも早く売却ができないのであれば、債権者が同意するメリットがありません。

競売の入札が始まると、よほどのことがなければ後戻りができませんから、滞納が始まったら早期に手を打つ必要があります。

また、競売で十分債務の回収が見込めるのであれば、債権者は任意売却を認める必要がありませんから、債権者の同意が得られなければ、話が始まりません。

まとめ

競売になれば、任意売却ができる時間はどんどん減っていきます。

競売は所有者の意志とは別のところで進められていきます。

任意売却は債権者の承諾が必須ですが、売却の流れは一般の不動産売却に沿って行います。

住宅ローンの返済に行き詰まったら、不動産一括査定サイトの利用や任意売却を検討し、自身で売却できる方法を探しましょう。

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