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狭小(きょうしょう)住宅は都心では珍しくありませんが、敷地面積が狭いだけでなく、接道や形状が悪いこともあり、売却にはあまり向きません。
しかし、不動産業者の見つけ方次第では、良い条件で売れることも。
狭小住宅がなぜ売れにくいのか、高く売る方法や業者の探し方を紹介します。
狭小住宅とは?
一般に15〜20坪以下の土地に建つ住宅です。
全国的に見ると、建売住宅の平均的な敷地の坪数は40坪弱ですので、狭小住宅では約半分以下の面積ということなります。
ここで注意したいのが、敷地面積いっぱいに家を建てられるわけではないので、建物は15〜20坪もないということ。
商業地域では建ぺい率が100%ということもありますが、一戸建てが多いエリアでは建ぺい率は50%や60%という場合が多いです。
建ぺい率は、敷地面積に対して建築できる建物の面積です。
建ぺい率が50%だと、20坪の土地でも建築面積は最大でも10坪になります。
1坪は畳2帖なので、建物の広さはワンフロア20帖以下になります。
狭小住宅は特に都心に多く、狭い土地に建てるため、スキップフロアや3階建(または地下室)を活用して縦に長くなる特徴があります。
敷地面積が狭い分、価格が抑えられるので、都心で一戸建てを希望する層にニーズがあります。
しかし、ニーズがありながらも売れにくいと言われる理由の1つが狭小住宅の土地は、ただ狭いだけでなく形が歪な不整形地であることも珍しくなく、有効活用できる敷地はずっと少なく限られるという点。
正方形や長方形に近いほど整形地として、不動産価値は高まりますが、価値の低い三角形や歪な形であると建物も建てにくいです。
また立地によっては、一戸建てでは駐車場が必須という前提があり、狭小住宅といえど、駐車場の有無で売却の際に不利になることもあります。
再建築不可物件も多い
狭小住宅の他の特徴として、再建築不可物件の割合が少なくないということが挙げられます。
狭小地の多くが、通りに面しておらず接道義務を満たしていないことがあるからです。
建築基準法で、建物を建てるには幅員4m以上の道路に2m以上敷地が接していなければなりません。
前面道路が狭い、間口が狭い場合は接道義務を満たしているか注意しなければなりません。
既存の建物を維持することは認められますが、建て替えるつまり、新築はできないことを再建築不可と呼んでいます。
さらに再建築不可ではなくても、前面道路が幅員の狭い2項道路の時は、建築するときに道路を広くするために建物をセットバックしなければなりません。
セットバックする部分は建物を建てられないため、実質は使うことができない土地です。
そのためセットバックがある時は売却で不利になります。
どんなに安くても再建築不可では、狭くとも一戸建てを建てたいと考えている人が買ってくれませんので、売却の中でも買う人を選ぶと言えます。
住宅ローンが組みにくい
狭小住宅は住宅ローンを組みにくいという注意点があります。
もし住宅ローンを組めないとすると、買主は現金購入をすることになり、業者買取もしくは、住宅ローンを利用しない買主をターゲットにするしかありません。
狭小住宅で住宅ローンが組みにくい理由は、物件の最低土地面積や床面積が決められていることがあるためです。
例えば最も借りやすい住宅ローンであるフラット35では、一戸建ての場合で床面積が70㎡以上が条件です。
他の金融機関も、床面積や土地面積の最低面積が決められていることがあります。
おおよそ土地の最低面積を30㎡、40㎡程度に設定している銀行が多いです。
1坪が約3.3㎡なので、40㎡で約12坪です。
敷地面積次第では、借りられる住宅ローンが限られるというところに注意しましょう。
また、住宅ローン審査で重要な担保評価という点でも、不整形地、接道条件などがあり、狭小な土地は低くなりがちです。
住宅ローンは借入する人の勤務先や返済能力の審査だけでなく、物件の審査も行います。
新築の方が借入額が多く、古い建物ほど、少ない金額しか借りられないというのは、築年数が古い程、建物の評価が下がるからです。
築年数によっては、建物に価値がつかず、土地の評価額しか見てもらえないというケースも。
一方で売買価格は、担保評価とは別で需要と供給のバランスで決まるため、担保評価と売買価格は一致しません。
金融機関としては、担保評価を基に住宅ローンの金額を決めるので、評価が低すぎると家の売買価格よりも借りられるローンの金額が下回ることになります。
つまり、借りられる金額が売却価格を下回るほど、頭金が必要になりますので、買主を選ぶことになります。
狭小住宅を高く売る方法
狭小住宅は誰でも買いたいと思うものではありません。
しかし、やり方次第では、高く売れる可能性も十分にあります。
狭小の家を売るお勧めの方法3つを紹介します。
隣人への売却
1つの土地では狭小かもしれませんが、隣接する土地と一体で利用できれば用途も広がるかもしれません。
そこでお勧めしたいのが隣人に買ってもらう方法です。
狭小地に限らず、隣人に買ってもらうというのは、実は王道パターン。
隣地を購入すると所有する土地が広がるだけでなく、採光や通風など環境が良くなったり、建築できる建物が大きくなったりとメリットが多く、隣人にとっては、狭小な土地でも価値があります。
特に隣人の方が再建築不可であったり、接道しておらず、隣地を購入することで解消される場合は、隣人への売却が特にお勧めです。
再建築不可や接道していない土地の取引価格は低く、買い手がつかないことも珍しくなく、可能であれば、再建築不可や接道条件は解消したいという人が多いです。
ただし、トラブルを避けるため、より高く買ってもらうためにも不動産業者を通した交渉が良いでしょう。
狭小であるほど、その土地だけでは使い道が限られてしまうので、隣人に買ってもらうという方法はお勧めです。
業者買取で売却
仲介で一から買主を探す方法の他に、業者に一括で買い取ってもらう方法があります。
住宅ローンがつかなかったり、担保評価が低い場合は、買主の頭金が多く必要になってくるため、仲介では思うような売却が難しいかもしれません。
業者の買取では仲介よりも買取価格は下がるものの、仲介手数料がかからない、手続きが早い、引き渡し時期の調整が可能など売主のメリットも多いでしょう。
ただし、不動産業者ならどこでも買取を行っているわけではなく、買取を行っている業者を探さなければなりません。
狭小住宅に強い不動産業者をみつける
不動産業者には得意不得意があり、賃貸仲介、任意売却、マンション仲介など、主体として扱っている対象が異なります。
狭小住宅では、ただ狭いだけでなく、建物が建てられない可能性があり、建築上の制限がある場合は正しく買主に伝えなければトラブルになります。
そのため、狭小住宅の扱いに慣れている業者であることがベスト。
不動産業者に狭小住宅の仲介の実績を確認してみるのも良いでしょう。
不動産一括査定サイトで業者が見つかる
狭小住宅の売却には、まず査定を手に入れることから始めましょう。
査定は不動産業者から無料でもらえますが、不動産一括査定サイトなら、無料な上に査定がネットで完結、しかも複数の業者からもらえます。
必要な情報は一度の入力で済むので、時間もかかりません。
登録されている業者から最適な候補を選び、紹介してくれます。
もし査定や業者が気に入らなければ、もちろん売却を断ることもできます。
まずは相場を掴むためにも、不動産一括査定サイトで複数の査定を手に入れることから始めましょう。
オススメの不動産一括査定サイト
グッバイホーム
現役不動産屋が作った一括不動産査定サイト『グッバイホーム』。 45秒のカンタン入力で査定を依頼することができるので、これまで440万人以上の方にご利用・ご満足いただきました。 登録業者数は日本全国1,400社を超えるので、アナタの希望条件にマッチした不動産会社と出会えます。 当サイトはプライバシーマークを取得しているため、心配なセキュリティ対策もバッチリです。 |
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soraki
宅地建物取引士を取得し、ディベロッパーのマンション営業として企画、集客、顧客の住宅ローンの審査まで幅広く携わる。 新築分譲マンションのモデルルームでの接客をしながら、審査の通りにくい顧客にも対応し、住宅ローンを提案。 その後、マンション管理会社に転職し、フロント営業となる。修繕の提案や長期修繕計画の作成など、管理業務主任者として分譲マンションの管理組合運営に関わる。 |
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