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マイホーム=新築という従来からの概念はいまや過去のもの。
新築マンションの戸数が減ってきており、一方で中古マンションの流通は伸びています。
リノベーションという言葉も浸透して、中古マンションを購入して、自分の思い描くマイホームをDIYしたり、外観は古くてもリノベーションで洗練されたマンションを買ったりできるようになりました。
新築数の減少と中古市場の拡大
中古マンション市場はいまや、新築マンション市場を超えるようになってきました。
新築神話があった日本において、中古よりも新築は人気もあり、毎年新築が建ち、流通数も中古よりも多かったのですが、いよいよその神話も崩れてきているのです。
東京カンテイの調べでは、首都圏においては一部の地域では新築マンション数が増えたものの、全体的には2017年度は新規供給数が3.4%減少しています。
全国的に見ても、ここ数年は新築着工棟数が減っており、 販売の状況も奮いません。
よく言われる建築コストの増加による販売価格の高騰も原因の一つですが、マンション建設用の用地の仕入れも難しくなってきており、マンションを新しく建てるということがそもそも難しい時代なのです。
日本は新築が重視されますが、欧米では新築と中古の市場の比率は日本の真逆で、中古が基本で新築が珍しいのです。
日本は木造が基本で、建物の寿命も短いという事情も絡んできますが、昨今は戸建といえ、長期優良住宅も増え、鉄筋コンクリートのマンションの躯体の寿命は50年以上ありますから、購入から一世代で建物の寿命が終わるということはなく、人生の中で自宅の売却というのも当たり前の時代が来る日も近いでしょう。
中古売買が当たり前のアメリカでは、日本のように不動産情報が不動産会社限定公開のように閉鎖的ではなく、一般の人も広く見ることができ、中古市場が進んでいます。
日本の不動産業界はIT化も進んでおらず、旧体制的なシステムが残っています。
不動産売買は重要事項説明や対面販売が必要で、ネットで売買ができません。不動産取引は慎重に行われるべきもので、課題があり実現はされていませんが、国としてはネットで不動産売買ができるよう検討がされています。
最近の中古マンション売買のキーワードにホームインスペクション(住宅診断)があります。これは、建物の見えない部分の状態を専門業者が調査し、診断書を作成するものです。
新築に比べて、建物の傷み具合が分からないというデメリットをカバーすることができ、安心の中古マンションの取引ができるようになります。
買取再販住宅
買取再販住宅とは昨今伸びている市場で、不動産会社が中古マンションの購入を行い、リノベーションを行い、新しく生まれ変わった部屋を売りに出す形態です。
富士経済が調査した結果によれば、買取再販住宅の国内市場の工事額は、2015年度に700億円程度のものが、2020年度には1,300億円まで増える予想です。
中古マンションで購入価格を抑えるには、築20年程度が狙い目で、これくらいの築年数ですと手を加えなければ設備や室内の状態は築年数相応の古さが目立ちます。
中古住宅が日本で今まで浸透していなかったのは、「新築が気持ちいいから」という理由が多かったのですが、建物は古くても室内は新築同等の買取再販住宅は、そのデメリットを覆すことになり、30代の初めてマイホームを持つ世代にも受け入れられています。
中古マンションが古びて見えるのは、間取りが原因のこともあります。間取りは時代によって異なります。
例えば、現在主流な間取りであるアウトフレーム(柱や梁が室外にある)は部屋が広々と見えますし、リビングダイニングはできる限り日当たりと広さを確保できる配置にします。
築年数が古いマンションだと、リビングダイニングが狭かったり、段差が多かったり、最近の主流なマンションと比べると、どうしても見劣りしてしまいます。
リノベーションマンションでは、部屋数を減らして一部屋を広くしたり、室内をフラットにしたり、流行りのマンションの形により近くなり、魅力的になります。
見映えの悪い、傷ついたフローリングや壁紙の張り替えるような機能を戻す、というよりも、4LDKを2LDKに大改造して、形から変えたり、よりよい水回りの設備と入れ替えたりと付加価値をつけて、まったく新しいマンションで販売するのが買取再販住宅の特徴です。
室内が新しくなっているという点以外にも、購入する消費者にはメリットがあり、個人からマンションを購入すると、売主個人は契約不適合責任をなしにすることが可能で、購入してから見つかった不具合やトラブルについて、十分に保証がない可能性があります。
しかし、不動産会社から購入した場合、宅建業法で業者側は契約不適合責任を免責にできません。
購入する側にとっては、購入後のトラブルに備えるためには、業者から買う方が有利なのです。
中古マンションをDIY
リノベーションされたものを購入する以外にも、自分の手で作り上げるDIYも流行しています。最近ではフローリングや壁材など、素人でも施工ができる材料が気軽に手が入るようになりました。
家電量販店やホームセンターのように消費者に身近なお店でもリフォーム工事の取り扱いが一般化しています。
従来はキッチンやトイレなど水回りの入れ替えを家電量販店は得意としていましたが、本格的にリフォーム事業に参入する動きも始まっており、内装のリフォームや家具の販売を始める家電量販店も出て来ました。
中古市場が拡大するにつれて、リフォームやリノベーションを提案する業界は拡大するでしょう。
リフォームの予算
マンションの室内をスケルトン解体し、デザイン性も重視して、ゼロから室内を作り直す大きな工事をリノベーションと呼びます。
リフォームは現状の古い設備を入れ替える工事、リノベーションはただ交換するのではなく、付加価値をつけるようなときに用いられる言葉です。
工事費用は規模が大きくなると高額になってきますが、目安として、ユニットバスを丸ごと取り替えで100万円弱、キッチンの取り替えで60万円~100万円弱かかります。水回りを一通り新品にしたいときは最低200万円ほどの予算は欲しいところです。
住宅リフォーム推進協議会の調査では、マンションのリフォームの平均費用は237万円程です。
リフォームをするなら、まず水回りの設備の一新をしたいという声が最も多いので、おおよそ水回りの予算とも一致します。
フローリングも壁紙も変えたい、間取りも変えたいとなれば、もっと費用がかかるので、リノベーションには700万円ほどの予算が欲しいところです。
まとめ
これからの高齢化社会や、自動車を持たない生活には、利便性や駅から徒歩圏内であるマンションの需要はさらに高まると考えられます。
不動産の価格は駅からの距離に比例します。駅から1分でも近い方が有利ですが、まずは10分以内かどうかで物件を探す人は検索をかけるので、最寄駅が徒歩10分圏内かどうかがボーダーラインです。
また、新築時の価格は室内の内装よりも、立地やブランドによるところが大きく、特にブランド力があるデベロッパーの建物は、外観や共用部分にコストがかかっています。
中古マンション選びでは、リフォームをしても変えることのできない立地や外観で選ぶのが正解なのです。
これからは新築だけでなく、住みたい場所を探して、住みたいマイホームをデザインできる中古マンションを購入するのも珍しくない時代になっていくでしょう。
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soraki
宅地建物取引士を取得し、ディベロッパーのマンション営業として企画、集客、顧客の住宅ローンの審査まで幅広く携わる。 新築分譲マンションのモデルルームでの接客をしながら、審査の通りにくい顧客にも対応し、住宅ローンを提案。 その後、マンション管理会社に転職し、フロント営業となる。修繕の提案や長期修繕計画の作成など、管理業務主任者として分譲マンションの管理組合運営に関わる。 |
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