転勤で家を売るなら?タイプ別の選択肢と注意点!

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2019.09.04

目次

転勤で家を空き家にすることになったとき、そのまま空き家にするか、いっそのこと売ってしまうか迷いますよね。

急いで家を売る時と賃貸には出したいけど、戻ってきたらまたすぐに住みたい時の貸し出し方など、転勤の期間別の選択方法を説明します。

転勤が短期間の場合

短期間で転勤が終わり、戻ってくる予定である場合は、賃貸に出す必要もないでしょう。
つまり、そのまま空き家にしてしまう方法です。

ただし空き家でも可能であれば定期的に見回りや室内の換気は行った方が良いでしょう。

親族・知人に管理をお任せできれば良いですが、難しければ不動産会社の空き家管理サービスを利用することもできます。

相場は月額数千円~1万円程度ですので、依頼先がない時は検討しても良いでしょう。

注意点としてマンションであれば、転勤で不在の期間の連絡先の通知義務が管理規約に定められているので、管理会社に確認を行い不在であることを管理組合に届け出しておきましょう。

転勤が数年間の場合

数年間は転勤が決まっている場合は、賃貸に出すことを検討したいところ。

賃貸にするときのポイントや注意点を3つ紹介します。

更新なしの「定期借家契約」が使いやすい

転勤から戻って来た時に確実に家に戻りたい場合は、「定期借家契約」が良いでしょう。

賃貸の契約は多くが普通借家契約です。

普通借家契約では、契約期間満了時に更新ができます。

一般的には2年契約で更新をして引き続き住むことができますね。

普通借家契約では、更新時に入居者が引き続き居住の意志を示している場合に家主は正当な理由がない限り、更新を拒絶できません。

家主がその家に戻ってくるため、というのは正当な理由には当たるのですが、前もって通知をしなければ、退去時期で揉める可能性もあります。

家賃の遅延や住まい方に問題がなければ、家主から退去を迫るようなことが難しくなるのが普通借家契約です。

そこで普通借家契約のデメリットをカバーするために生まれたのが、定期借家契約です。

定期借家契約では、契約で定めた期間が満了すると、更新ができず入居者は退去しなければなりません。

双方が同意すれば再契約で実態としては入居者が住み続けることも可能ですが、更新がありませんから、契約の通りに退去してくださいということも家主はできます。

理由が求められる普通借家契約とは異なり、定期借家契約では契約の満了をもって退去してもらえます。

予め、取り壊しや立ち退きを予定しているがまだ少し期間があるので、貸しに出して賃料を得たいという時に、定期借家(または定期借地)は使える方法です。

ただし、定期借家契約は期間の制限がある分、普通借家契約よりも賃料の設定相場は安くなります。

そのため、定期借家契約の内容を十分に説明した上で、安く住みたい・期間は限られていても構わないという入居者が住むことになります。

賃料が多少安くはなってしまいますが、〇年後には確実に家に戻ってきたいと考えているなら、普通借家契約よりも定期借家契約が安心です。

転勤期間は住宅ローン控除が使えない

自宅ではなくなると、住宅ローン控除が使えなくなります。

自己居住用の家が住宅ローン控除の条件の一つであるからです。

単身赴任で家族が引き続き居住する場合は、特例としてローン控除が使えますが、完全に空き家または別の人が住むような賃貸になると使えません。

ただし控除期間内に再度戻って来た場合は、もう一度使えるようになります。

住宅ローン控除は人によっては年間で数十万円は得になりますが、転勤で制度の対象外になるのは痛いところです。

家賃収入があるなら確定申告を行う

賃貸に出すことで家賃収入が入りますね。

この家賃収入は確定申告が必要になります。

確定申告をしなかったことで、次に家を買う時に身動きが取れなくなってしまうことがあります。

例えば、転勤が長くなってセカンドハウスを購入したくなった時、住宅ローンをまた借りたいと思うかもしれません。

所得が十分であれば、メガバンクなどは2件目の住宅ローンでも借りること自体は可能なのですが、銀行は税金関連には厳しく、家賃収入のように会社員としての収入以外があるのに確定申告をしていないと、それが理由となり審査が否決になります。

ちなみに賃貸に出している方の家の住宅ローンが残っている場合、銀行に2件目のローン審査を出した時、住宅ローンが2件目であることが個人信用情報で分かりますので、既に住宅ローンがあることを隠すことはできません。

また家賃収入があり、会社員として給与よりも実際は所得があるので、ローン審査は簡単に通りそう…と思っていても、家賃収入を証明するには確定申告がなければ審査書類には使えません。

転勤が長期間の場合

転勤が長期間に及ぶ場合に、維持費のことも考えて家を売ることも視野に入るかもしれません。

家を売るときのポイントは大きく2つです。

ローン残高の確認

家を売る時に気をつけたいのがオーバーローン。

頭金をほとんど入れずに住宅ローンを組んだり、まだ家を買ったばかりですと残債も気になるところです。

売却してもローンの残高に届かないことをオーバーローンといい、家を売るまでに銀行へ全額返済するためには預貯金の取り崩しか、どこからか借り入れをしなければなりません。

オーバーローンの状態では、貸し出した金融機関等は抵当権を外さないため家を売ることができません。

新築で買って数年、頭金なしのフルローンのケースではオーバーローンになる可能性が高いので、売却するにあたって金銭的な負担がどれくらいか確認が必要です。

購入の予定もある場合は、住み替えローンといわれる住宅ローンを検討できることもあります。

住み替えローンは、売却する家の不足金額を購入する家の住宅ローンに上乗せで融資がしてもらえるものです。

ただし、登記や手続き関係上、売却と購入を同日で行うことや高額な住宅ローンになることも考えられるので、無理に住み替えローンで焦るよりも、残債を少しずつ減らして折を見て売却をする方が負担が少ないかもしれません。

まずは、売買価格を不動産会社からの査定を参考にして、住宅ローンの残高と比較します。

また、家を売るのに伴い住宅ローンを完済するときは、銀行に対して一括繰り上げ返済手数料が発生することがありますので、仲介する不動産会社の手数料の他に銀行にも費用の確認をした方が良いでしょう。

すぐに売却できるのは買取

転勤のため、とにかく急いで家を売りたい人は業者買取が最も早いです。

買取は業者がこの値段で買います、という商談だけですので売主に必要なのは、簡単にいえば家を空き家にする(引き渡しの準備)ことだけです。

業者は商談が成立した価格を支払い、所有権の移転登記を行うだけですから、引っ越しの手配さえしてしまえば、いつでも売買が成立します。

業者はいつでも売買代金を支払うことができますので、売主の引っ越しの都合次第で家の引き渡し日を調整していきます。

買取は仲介とは異なりますので、仲介手数料が発生しないのも嬉しいところです。

ただし業者は再販のために少しでも安く買い取りたいので、仲介よりも売買価格が安くなってしまう傾向はあります。

しかし業者が相手ということで売却後のトラブルも避けられるので、早さと確実な売却を重視するならお勧めです。

転勤で家を売ることになったらまずは査定

まずは査定があるとスケジュールを立てやすいでしょう。

売却価格は住宅ローンの残債にまったく届かないのか、プラスマイナスゼロくらいにはなりそうなのかによって、いま売るべきか・まだ待つべきなのかの判断ができます。

不動産一括査定サイト」を使えば、自分で不動産会社に問い合わせることなく、自宅にいながら査定を取り寄せできます。

家の所在地や広さなど簡単な情報だけで査定が貰えるので、特別な準備は必要ありません。

また、査定をしたからといって必ず売却しなければいけないわけではありませんから、自宅でゆっくり検討することもできますよ。

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soraki

宅地建物取引士を取得し、ディベロッパーのマンション営業として企画、集客、顧客の住宅ローンの審査まで幅広く携わる。 新築分譲マンションのモデルルームでの接客をしながら、審査の通りにくい顧客にも対応し、住宅ローンを提案。 その後、マンション管理会社に転職し、フロント営業となる。修繕の提案や長期修繕計画の作成など、管理業務主任者として分譲マンションの管理組合運営に関わる。

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