不動産売却と抵当権について!抵当権の注意点と抹消のタイミング

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2019.01.07

目次

住宅ローンがあれば、不動産には「抵当権」が必ずついています。

家を売るとき、抵当権はいつまでに消せばいいのでしょうか。

抵当権付きで売却することはできないのでしょうか。

そもそも抵当権とは何か、売却の時の注意点についても説明します。

抵当権とは?

お金を借りるときは担保がいります。

住宅ローンは借金ですから、銀行へ担保がいるのです。

借入をするとき、住宅ローンを借り受けた人の不動産に抵当権が設定されます。

抵当権は公にする必要があるため、法務局で登記され、不動産の登記記録で誰でも確認できるようになります。

登記記録では、いつ、どの銀行からいくら借入をしたのかということが残っているのです。

所有権と同じで、他人に対して権利があることの証明として、抵当権も登記が必要なのです。

ちなみに抵当権は1つだけでなく、1位・2位・3位…と順位をつけ、1つの不動産に複数つけることができます。

基本的には先着順で、第1順位の抵当権者(債権者)から優先的に弁済を受けることができて、順位が下がるほど資金の回収ができなくなる可能性が高くなります。

そのため住宅ローンでは、第1順位であるかを銀行は重視します。

抵当権があることで、銀行は住宅ローンの返済が滞った時に、差し押さえ、その不動産を売却(競売)して、資金の回収をすることができます。

抵当権というと難しく感じますが、実は質屋の仕組みに似ています。

例えば、質屋でお金を借りるとき、担保を提供しなければなりませんよね。

質屋に提供する担保が貴金属とすると、銀行に提供する担保は不動産です。

質屋でお金を借りるときも、借りられる額は貴金属の価値に見合った額しか借りられませんね。

住宅ローンも同じで、銀行としても不動産の価値(担保評価)に見合った金額までしか貸しません。

よく中古不動産を購入したいのに、住宅ローンで借りたい金額が借りられる金額に届かないことがあります。

新築では頭金がいらないが、中古だと頭金が必要になることがある(満額を借りられない)ともいわれます。

不動産の担保評価は築年数に応じて下がることが多いのですが、不動産売買の価格は売主と買主の間で決まるもので、需要と供給のバランス次第です。

住宅ローンの借入金額が買主の希望と合わないのは、このためなのです。

大まかにはお金を借りる仕組みは変わらないのですが、質屋が持っているのは「質権」で、銀行が持っているのは「抵当権」となり、1点だけ異なる点があります。

それは、担保として提供しているときに、使用できるかという点です。(留置的効力と言います)

質屋(質権)に入れた担保は、お金を返済するまで手元には返してもらえません。

銀行(抵当権)に担保とした不動産は、住宅ローンの返済中に住むことができます。

抵当権では、担保にしても住むこともできるが、住宅ローンのルール(期日通りの返済)ができなければ、銀行は取り上げることができるのです。

抵当権のついた不動産は売れない?

抵当権付きで不動産を売ることは不可能ではありませんが、抵当権がある不動産はその債務がなくならない限り、銀行が最終手段として売却する権利を有しています。

売れないというよりも、誰も抵当権がついたままの他人の債務の担保である不動産を買うことにメリットがないのです。

さらに、抵当権がついたままの不動産では、買主が新たに住宅ローンを組む時に第1順位の抵当権がつけられず、障害にしかなりません。

抵当権があるままで引き渡すのは手続き的にも無理があるのです。

抵当権付きのままで引き渡されることのないように、買主を保護しなければなりませんから、売買契約では、抵当権を抹消してから引き渡すという一文が必ず入っています。

つまり、抵当権の抹消は売主の義務であり、買主に対する契約事項の1つであるのです。

重要事項説明書にも、登記記録に記載されている内容を説明する必要があり、現在の所有者は誰か、抵当権などの買主にとって不利な登記があるのかなど、とても大事な情報です。

しかし、売却したお金を元に住宅ローンの返済を予定していることは珍しくありませんから、売買契約時点では、抵当権がついていても問題にはなりません。

新築の住宅でもデベロッパーが事業資金の調達のために土地に根抵当権(抵当権の一種)をつけて、銀行からの借入金で建物を建てて販売していることもあります。

売却物件の不動産に抵当権がついていることは珍しくないことです。

この場合も売買契約を結ぶことはできますし、建物の引き渡し直前までは、デベロッパーの借入金の根抵当権がついたままです。

ただし、最終的には引き渡しの際に抵当権を抹消することがいずれも必須です。

売買契約を結んだが、抵当権が抹消できないとなれば、売主の買主に対する違約になります。

売り出し価格を決める時や、売買価格を決める時は、住宅ローンの残債務も考慮して、完済の資金目処がたたないのであれば、売却を進めるのは危険です。

抵当権を無くすには?

抵当権を無くすためには、2つのステップが必要です。

当然、債権者の承諾なしで抵当権を抹消することはできません。

第1順位の住宅ローン以外にも抵当権者がいる時は、他の抵当権者からも承諾を得た上で抹消が必要です。

  • 住宅ローンを完済する
  • 抵当権の抹消登記をする

抵当権は住宅ローンを完済しても自動的に消えるわけではなく、別途手続きをしなければなりません。

抵当権の設定と抹消は銀行の手続きではなく、法務局の手続きなのです。

銀行から必要書類はもらえますが、抵当権があっても銀行は不利益があるわけではないので、抹消登記は所有者がすることになります。

もちろん住宅ローンの完済後に抵当権がそのままであっても、完済後に銀行が勝手に売却してしまうことはありません。

さて、抵当権を抹消するにもまずは、銀行に債務を全て返済する必要があります。

これは、売却によって手元に入った資金でもいいですし、預貯金からでも問題ありません。

売却して手元に入った資金が残債務を下回っていた時は、預貯金を持ち出して返済します。

不動産を売却したからといって、債務が残っていれば、抵当権は消せません。

完済がされた確認ができると、銀行には抵当権の抹消を認めてもらえます。

完済したことの証明や抵当権抹消の委任状など、銀行から書類をもらえますので、法務局で得られる申請書などと、これらを持って手続きを行います。

不動産売却に合わせて抵当権の抹消登記をするときは、買主への所有権移転登記もあるので、法務局への登記は司法書士へ依頼することがあります。

売買と同時に抵当権の抹消と不動産の引き渡しの場合は、まず売買で得たお金を銀行へ支払い住宅ローンは完済、抵当権を抹消して、買主へ引き渡し(所有権移転登記)を同日に行うことになります。

ちなみに、抵当権の抹消のための登録免許税は不動産1個につき1,000円(土地と建物は別の不動産のため、両方であれば2,000円)で、司法書士への報酬が平均して15,000円程度かかります。

住宅ローンを完済しているなら、まずは抵当権を抹消しよう

買主としては、抵当権があることは不安材料になります。

住宅ローンをすでに完済しているのであれば、売り出しの前に抹消登記は行いましょう。

抵当権が抹消されていれば、登記記録にもその旨が残りますので、「抵当権はない」ことを証明することができます。

抵当権は売却までついていても問題ないが、引き渡し時は抹消するもの、と覚えておきましょう。

soraki
宅地建物取引士を取得し、ディベロッパーのマンション営業として企画、集客、顧客の住宅ローンの審査まで幅広く携わる。 新築分譲マンションのモデルルームでの接客をしながら、審査の通りにくい顧客にも対応し、住宅ローンを提案。 その後、マンション管理会社に転職し、フロント営業となる。修繕の提案や長期修繕計画の作成など、管理業務主任者として分譲マンションの管理組合運営に関わる。

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