知らなきゃ損する!不動産売却にかかる税金基礎知識

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2019.02.18

目次

不動産取引では切っても切れない税金との関係。

不動産売却に関わる税金の種類から税率や税額の説明、知っておいて損はない節税の裏ワザなど分かりやすく説明します。

不動産売却でかかる税金

所得税、住民税、復興特別所得税(※1)

(※1)2013年から2037年までの間に不動産売却によって所得を得た場合に課税。

あなたも給与などで一定の所得があった場合には、原則として所得税(および復興特別所得税)と住民税が課税され納税をしています。

不動産を売却したときの所得(譲渡所得)は給与などの所得と合算できず、分離課税制度がとられているため確定申告が必要となってきます。

譲渡所得を求めるには下記の式で算出します。

譲渡所得=収入金額(売れた金額)-【取得費※2・3(買った時の価格と費用)+譲渡費用(売った時の費用)】
※2 相続などで取得費が分からない場合は、収入金額×5%を概算の取得費として計上できます。
※3 建物の取得費には減価償却費相当額が差し引かれます。


例)
売れた金額:4,000万円
買った時の価格と費用:3,150万円
売った時の費用:150万円

4,000-(3,150+150)=700万円が譲渡所得となります。

仮に譲渡損失(譲渡所得がマイナスになること)が発生したとしても、要件を満たすことで給与などの所得と通算できて、税金が還付されたり、税金が減額されたりする場合もあるため、確定申告は行いましょう。

こうして求められた譲渡所得に所得税と住民税および復興特別所得税の税率を乗ずることによって税額が算定されます。

ここで注意したいことが、不動産を売却した年の1月1日現在に所有していた期間によって税率が変わってくることです。

1月1日現在所有期間 所得税 住民税 復興特別所得税 合計
5年以下 30% 9% 0.63% 39.63%
5年超 15% 5% 0.315% 20.315%
10年超で譲渡所得6,000万円以下の部分(居住用軽減税率特例) 10% 4% 0.21% 14.21%
10年超で譲渡所得6,000万円超の部分(居住用軽減税率特例) 15% 5% 0.315% 20.315%

※なお非居住用不動産の所有期間が10年超の場合、5年超と同率の20.315%となります。

上記表からお分かりのとおり、売却した年の1月1日現在の所有期間が5年を超えているだけで納税額が約半分になるので、不動産売却時には絶対に知っておかなければならない知識です。

けれども居住用(マイホーム)を売った場合は、3,000万円の特別控除の特例を受けられるため、免税もしくは減税される方がほとんどです。

またマイホームの買い換えで譲渡所得が3,000万円を大きく上回る場合は、買換え特例を受けるとすぐに納税を行わなくてよいなどメリットがあるケースもあります。

なお特例を受けるには、マイホームの定義を満たしていたり、他の特例(近年に同一の特例も含む)の適用を受けていなかったりと要件を満たしていなければならないため、不動産の売却を決めた時点で不動産業者や税理士、税務署などに相談をしましょう。

登録免許税

全ての方に該当はしませんが、住宅ローンを組んでいる不動産の売却では、抵当権の抹消登記に登録免許税がかかります。

登録免許税計算式
不動産の筆(※4)および戸数(※5)×1,000円

(※4)筆とは不動産の土地単位のことをいい「ふで」や「ひつ」と読む
(※5)戸とは不動産の家屋単位のことをいい「こ」と読む

土地1筆で建物が1戸の不動産であれば登録免許税は2,000円になりますが、土地が何筆もあったり私道がある場合は、その筆数分の登録免許税がかかります。

これ以外に司法書士への報酬も1万円ほどと謄本などの取得費用が必要です。

消費税

不動産屋さんに不動産売却の仲介を依頼した場合、仲介手数料を請求されますがこちらに消費税がかかります。

例)売却額3,000万円の仲介手数料および消費税の計算
3,000万円×3%+6万円=96万円(仲介手数料)

消費税8%の場合
96万円×0.08=76,800円

消費税10%の場合
96万円×0.1=96,000円

また前項で説明した司法書士への報酬にも消費税がかかります。

印紙税

収入印紙って聞いたことありますか?

一番身近なものだと領収証に貼られた切手のようなものです。

郵便局などで収入印紙を購入可能で、課税書面に貼付して消印をすることによって、原則納税したことになります。

不動産売却では手付金受け取り時や、残代金決済時に発行する領収証にも原則受け取り金額に応じて収入印紙が必要になりますが、個人で家を売る場合は営利を目的(賃貸物件の売却など)とした物件でなければ印紙の貼付は不要です。

領収証に記載された金額 税額 領収証に記載された金額 税額
5万円未満 非課税 1億円以下 20,000円
100万円以下 200円 2億円以下 40,000円
200万円以下 400円 3億円以下 60,000円
300万円以下 600円 5億円以下 100,000円
500万円以下 1,000円 10億円以下 150,000円
1,000万円以下 2,000円 10億円を超えるもの 200,000円
2,000万円以下 4,000円
3,000万円以下 6,000円
5,000万円以下 10,000円 受取金額記載のないもの 200円

また不動産を売却するには売買契約書を取り交わしますので、契約書に売買代金に応じた収入印紙を貼付しましょう。

記載された契約金額 税額
10万円を超え 50万円以下のもの 200円
50万円を超え 100万円以下のもの 500円
100万円を超え 500万円以下のもの 1千円
500万円を超え 1,000万円以下のもの 5千円
1,000万円を超え 5,000万円以下のもの 1万円
5,000万円を超え 1億円以下のもの 3万円
1億円を超え 5億円以下のもの 6万円
5億円を超え 10億円以下のもの 16万円
10億円を超え 50億円以下のもの 32万円
50億円を超えるもの 48万円

※2020年3月31日までの間に作成される契約書についての軽減措置が適用されています。
(上記期限は以前から、期限到達前に延長されています)

売買契約書に貼付する印紙税節約の裏ワザ

前項で説明した売買契約書に貼付する収入印紙ですが、契約金額が高額になると印紙代もそれなりに高額になり手痛い出費です。

売却予定で自分の持ち物ではなくなる不動産の契約書に高額の印紙を貼付するのも、どこか腑に落ちません。

100%節税できると断言はできませんが、不動産業を営む私金井も実践している印紙代を節約できる裏ワザがあります。

収入印紙は記名押印した契約書の数だけ必要になるため、仮に5部記名押印した契約書を作成した場合、5枚の収入印紙が必要となります。

ですので記名押印する文書を1部作成すればいいのです。

その際、契約書の文言を変更する必要があります。

『この契約を証するため契約書2通を作成、売主と買主が各1通保有する』といった内容の記載がされている部分を『この契約の成立を証するため本書1通を作成し、当事者記名押印のうえ買主がこれを保有する』など変更する必要があります。

注意点として契約書に写しを保管することを記載してはいけません

また「副本」や「写」と記載して写しに記名押印することも税務署から課税文書と指摘される可能性があるため、絶対にやめましょう。

業者によっては契約書に決まった雛形があって、このようなイレギュラーな対応ができない場合もありますので、事前に確認が必要です。
(買主などが1部作成を認めなかったり、印紙代の折半を持ちかけてくる場合もあります。)

売った不動産の売買契約書原本を使用することは実務上ありません。

仮に契約書が必要な場合でも、写しがあれば事足ります。

写しだから効力がないわけでは決してありません。

ちなみに工事を発注するときに契約する「工事請負契約書」でもこの裏ワザは応用できますので、知っておいて損はないでしょう。

不動産売却でかかる税金まとめ

不動産売却でかかる税金の中では、占める税額の割合からも譲渡所得に特例を使えるかが一番ネックになってきます。

家をひとに貸していたり取り壊してしまったとしても、それぞれ控除対象になるので事前の調査が大切です。

また確定申告をすれば勝手に特例を受けれるわけではないため、必ず申請をしなければなりません。

このため不動産売却をする際は、無料で使える「不動産一括査定サイト」を利用して売却額を調べるとともに、税金対策もしっかりアドバイスしてもらえる業者を選びましょう。

金井

生まれも育ちも仕事も大好きな横浜で人生の大半を過ごす。 地場の建設会社にて施工管理を学ぶ(某有名人宅の新築工事に工事主任として1年間従事)。 同社で不動産の営業、企画にも携わる。 その後、大手不動産会社へ転職し管理と仲介営業を経て2017年に不動産会社を起業。 保有資格:宅地建物取引士、二級建築施工管理技士

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