空き家バンクとは?利用の仕方とメリットデメリットについて

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2019.02.13

目次

空き家が全国でどれくらいあるかご存知ですか?

空き家の数は年々増えており、人口減少に悩む地方自治体は、空き家の有効活用を促し、移住者の定着を図ろうと空き家バンクの運営を行っています。

空き家バンクの利用の仕方や仕組み、メリットとデメリットを紹介します。

空き家の数はどれくらい?

新築着工棟数が減っているとはいえ、毎年新築が建ち、人口の減少や都市部への集中から、空き家は毎年増え続けています。

両親の死後に住宅の住まい手がいなくなり、そのまま空き家になってしまうというパターンも現代社会の問題点の一つです。

平成25年の時点での統計調査では、全国で総住戸宅数は6,063万戸と人口が減少しているにも関わらず増えています。

統計調査は5年毎のため、前回の調査からは305万戸増えたことになります。

この中で空き家は820万戸です。

ここで注目するところは、数だけでなく総住宅数が5.3%増加しているのに、空き家は8.3%も増えており、空き家の増え方のほうが早いのです。

空き家には別荘も含まれますが、その数は41万戸なので別荘等を除く空き家の割合は、総住宅数に対して12.8%にもなります。

内訳としては、一戸建てと共同住宅(マンション)の占める割合が高く、中でも近年はマンションの空き家の上昇率が高くなっており、全体の42.4%はマンションです。

エリアで見ると、山梨や四国では空き家率が高く、山梨県17.2%、愛媛県16.9%、高知県16.8%、徳島県16.6%、香川県16.6%であり、いずれも5年前よりも増えています。

空き家の増加は、地方であるほど深刻な問題であるといえます。

東京では、マンションの空き家がダントツで高く、神奈川や大阪でも同様の傾向があることから、都市部でも住宅は供給過多による空き家の発生が見られます。

平成25年の調査ですから現在はもっと増えていることでしょう。

空き家は防犯面でも不安があり、空き巣は空き家でも狙うことがあります。

特に庭の管理がされていない様子や人の出入りがない建物が狙われてしまいます。

遠隔地であると定期的な訪問は難しいですが、巡回で空き家の管理を委託できる業者も出てきており、NPO法人で数百円、民間の管理会社でも月額数千円~1万円程度で郵便物の回収や簡単な建物確認、プランによっては清掃や水回りの通水もしてもらます。

人が住んでいれば、こういった維持も心配が減り、家賃収入も見込めますから、自治体は空き家バンクで情報を発信することで、移住者を集めたいのです。

空き家バンクとは?

空き家の所有者が賃貸や売却のために情報を提供し、紹介する制度です。

運営は基本的に自治体ごとです。

空き家に悩む地方の自治体が空き家の解消だけでなく、移住者を集めることも目的の一つとしています。

不動産会社の仲介とは異なり、自治体が地域の活性化を目的としているので、空き家バンクの利用自体は無料です。

物件の登録は空き家の所有者が自治体に必要書類と共に申請するもので、空き家バンクに載っているのは、所有者が賃貸や売却を希望している物件だけです。

空き家がすべて掲載されているわけではありません。

また、空き家バンクの登録は、自治体が行う場合が多く、後述する一部には不動産会社が調査・登録を行っているところもあります。

空き家に関しての法令には平成26年に公布された「空家等対策の推進に関する特別措置法」がありますが、特定空家等という空き家の中でも倒壊の危険性や維持管理がされていない空き家について、周辺環境に悪影響であると判断されるものは、撤去が推奨されます。

このような状態である空き家については、そのままにすること自体が適切ではないため、空き家バンクへの登録は推奨されておりません。

メリットとデメリット

メリットは大きく2つで、1つ目は自治体の補助金制度が利用できること、2つ目は空き家バンクの登録は無料であることです。

1つ目の補助金については、移住者を促進する目的もあることから、自治体が補助金制度を設けていることがあります。

売買契約や賃貸借契約が決まると、所有者はもちろん買主や借主でも受け取れることがあります。

対象は仲介手数料であったり改修費用であったり、自治体ごとに金額も異なりますが、空き家の中には古い木造一戸建ても多いことから、所有者にとっても補助金で工事ができるメリットがあります。

2つ目のメリットは、空き家バンクの登録が無料であることです。

法務局で登記事項証明書を取得することが必要なこともありますが、空き家バンク利用料は自治体が営利目的ではないためかかりません。

買主や借主になる利用者側も自治体に登録をしなければ、空き家の詳細や所有者とは連絡は取れませんから、個人情報の面でも安心です。

デメリットは、不動産会社が介入しない取引をしようとするとトラブルの可能性があることです。

不動産の賃貸や売買は原則的には不動産会社を間に入れますよね。

不動産取引に不動産会社が入らなければならないという法律はありませんが、のちのちのトラブルを避けるために、重要事項説明書や売買契約書を正式なものを取り交わすためにも、手数料を払ってでも不動産会社が入っている方が良いでしょう。

空き家バンクでは、運営が自治体であり、不動産会社ではありません。

登録をして紹介をしてもらうのは無料ででき、自治体の役割は需要と供給のマッチングです。

空き家バンクの仕組みとしては、自治体ごとに多少異なっていますが、基本の流れは、空き家の所有者が自治体に情報を登録し、利用希望者からの問い合わせとマッチングさせるまでです。

そこから先は当事者間に任せてしまうため、条件の交渉や賃貸契約、売買契約については、自治体が面倒を見てくれません。

もちろん、自治体も不動産会社なしの取引を推奨しているわけではなく、不動産会社を紹介する制度も設けています。

  • あらかじめ何社かの不動産会社と協定を結ぶことで、希望する人には不動産会社を紹介する
  • 空き家バンクの登録自体を不動産会社を通して行なってもらう
  • 自治体は物件登録の際に不動産会社から担当者を決めてもらい、所有者へ担当者を通達、物件の調査は不動産会社が行う

ただし、3つ目のように必ず不動産会社が仲介に入るような流れにしている自治体は多くはないため、交渉や契約の締結に自治体は関与しないとの姿勢であることも珍しくはありません。

不動産会社が入れば、仲介手数料がかかるため、中にはお金を掛けたくないと考えることもあるでしょう。

自治体の空き家バンク登録や紹介を受ける分には無料なので、いざ契約だけに不動産会社を使うとお金がかかる、というイメージになってしまうかもしれません。

今後の課題

空き家バンクというものの認知度がまだ高い訳ではなく、不動産の情報を探す=不動産会社のイメージがあります。

平成28年空き家バンク運営実態調査でも低調な実態が見られます。

平均的な登録数は月1件未満、成約率も月1件未満が大半で、空き家バンクで賃貸または売買が成立した数は、自治体によってはまだまだ数えるほどしかないという現状です。

ただし、月間成約数÷月間物件登録数の成約率が50%未満の自治体が56.6%である中でも、成約率75%以上の自治体は11.2%あり、効果が上がっているところもあるのです。

成約率が高い自治体の空き家バンクの周知方法として、固定資産税の納入通知書に空き家バンクの制度の案内を同封することや、ケーブルテレビを使った方法が上げられています。

自治体のホームページでは、空き家バンクの紹介はしているところがほとんどですが、目に触れる機会が少なく、それだけでは不十分でそもそも空き家バンクを知らないから登録も増えないという状況なのです。

売主(貸主)と買主(借主)のどちらを集めるのに苦労しているかという点においては、圧倒的に売主(貸主)の声が上がっており、登録される物件をどうやって今後増やせるかという点が課題であるといえます。

今までは、全国共通という概念がないまま各自治体が独自の運営をしていましたが、公募により、アットホームとLIFULLで空き家バンク全国版の運営が始まりました。

ポータルサイトの中でも大手の2社で空き家バンクが始まったことで、より周知がされ検索もしやすくなっていくと思われます。

soraki

宅地建物取引士を取得し、ディベロッパーのマンション営業として企画、集客、顧客の住宅ローンの審査まで幅広く携わる。 新築分譲マンションのモデルルームでの接客をしながら、審査の通りにくい顧客にも対応し、住宅ローンを提案。 その後、マンション管理会社に転職し、フロント営業となる。修繕の提案や長期修繕計画の作成など、管理業務主任者として分譲マンションの管理組合運営に関わる。

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