目次
不動産査定は路線価に影響するのか
路線価は不動産査定に直接は関わらない
相続税や贈与税を算出する時には「路線価」を用いることになりますが、この「路線価」は不動産査定に関して影響を与えるものなのでしょうか。結論としては、路線価は不動産査定に対して影響を及ぼすものではありません。あくまでどれだけの税が掛かるのかの指標である路線価は、直接的に不動産の査定額に対して影響を及ぼすものではありませんので、路線価=不動産査定に関わるということではないことを頭に入れておきましょう。
不動産査定は、土地の状況だけでなく近隣の環境や需要が高い時期なのか、この物件は築何年経過しているのか、ということが総合的に判断されるものになりますので、あまり知識がない場合は不動産会社の方にしっかりと聞いてみることをおすすめします。
路線価は不動産の概算に役立てることができる
一方で、路線価は「おおよその不動産査定額」を導き出すことに大きく役立ちます。不動産査定といっても不動産会社に依頼しなければなりませんから、大きな手間が掛かってしまうことが困りものです。必ず不動産を売却するということならともかくとして、「まだまだ売るのかを決定していない」と考えている状況では、時間を掛けすぎるというのも得策ではありません。
その時に大きな役割を果たしてくれるのが路線価であり、「だいたいのお値段」を知りたい時に参考にすることができる点が大きいといえるでしょう。路線価に関しては税金に関わる指標であるため、国税庁が毎年1回は路線価に関わる情報を発表します。
この情報はインターネットでも閲覧することができるため、いつでもすぐに自分の家を売ることを考えている不動産の路線価を知ることができますし、そこからおおよその不動産査定額を算出することができるようになっているのです。路線価によりあまり手間をかけることがなくてもおおよその不動産売却額を知ることができますので、形だけでも知っておきたい人にはとても重宝します。
実際に路線価を概算で利用する方法
路線価がおおよその不動産査定額を導き出してくれるということを理解していただけたと思いますので、ここからは路線価を利用した概算の査定額の算出方法について説明していきます。路線価は公示価格をもとに表示されているものなのですが、表示されている路線価は公示価格の80%になるように設定されていることが特徴です。
そのため、実際に表示されている公示価格より1.25倍になることを前提として、計算することが重要になります。路線価は「数字アルファベット」という並びで表記されているのですが、重要なのは数字部分でこれが1㎡あたりにおける千単位の金額ということになります(数字が1,000の場合は100万円、数字が20,000の場合は2,000万円といった形になる)。ここまで分かればあとは単位をしっかりと揃えた後に1.25をかけるだけで、概算の査定額を導き出すことが可能です。
あくまで路線価と不動産査定は無関係であることを留意すべき
前述しましたが、実際の不動産価格の算出に関してはかなり専門的な要素まで検討して算出することになります。路線価はあくまで不動産査定に関係する数字ではなく、税金を算出するための数字であるため、おおよその参考にすることはできても鵜呑みにすることはできません。
「路線価での算出では納得のできる査定額になったけど、実際には想定よりかなり低い金額の査定結果が算出された」といったケースもざらにありますし、逆もまた然りです。大事なことは、「路線価は不動産査定に関して直接的な影響はない」という前提で利用することであり、臨機応変な対応が求められるでしょう。
もちろん、正確な不動産査定額を知りたいなら不動産会社への依頼が必要になるので、信頼できる不動産会社がいるならば、開きのない査定額を知ることができます。