目次
「レオパレス21」を特集し世間の注目を集めたガイアの夜明け砲から1ヶ月。
未だレオパレス関連のニュースが鳴りやみません。
正直・真面目をモットーにグッバイホームを運営管理している金井としては、株主やオーナー、入居者全てを欺いてきたレオパレスが許せないという気持ちでいっぱいです。
レオパレスの資産状況や株価に関するニュースもあるため、倒産する可能性を勝手に考察し、前回よりも熱量がこもった怒りの続編をどうぞ。
【前回記事】
違法建築発覚後のレオパレスからのニュースリリース
違法建築の報道がされてから、2月7日にレオパレス社から株主に向けたIRニュースがリリースされました。
「特別損失の計上による業績予想の修正及び配当予想の修正に関するお知らせ」
https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2019/0207_2744.html |
要は「特別損失を計上するため配当はできなくなりました」でも「現金・自己資本はあるから大丈夫ですよ」アピールです。
そして2月18日には下記ニュースが。
これは日経新聞に掲載された「レオパレス物件を紹介する法人客離れ記事」に対する火消アピールです。
よくよく読んでみると「法人としてはレオパレスへの対応を変えないけれど、お客様がレオパレスの物件を希望しなければ紹介はしません。」という当たり前の内容です。
一連のニュースを知っていて、レオパレス物件を希望する人などいるのでしょうか?
また2月27日には、下記ニュースがリリースされています。
「外部調査委員会設置のお知らせ」
https://www.leopalace21.co.jp/news/2019/pdf/0227.pdf |
施工不備に関して第三者による原因の解明を行うため、外部調査委員会を設置するという、まじめアピールです。
この調査委員には3名の弁護士が選任されており、弁護士が在籍している弁護士事務所とレオパレス社に現在利害関係はありませんと記載されています。
でもボランティアで仕事をするわけではないので、これからは利があるじゃないですか!
これら同社からリリースされたニュースは、オーナーや入居者に対してのものではなく、あくまで株主やメディアに対してのメッセージなのではないでしょうか?
サブリース業界への余波
いまさら聞けない!管理会社について「賃貸管理業とマンション管理業」
管理会社でも賃貸(住宅)管理業とマンション管理業があるのはご存知でしょうか?
賃貸管理業における管理会社は、オーナーから管理委託を受けて入居者の管理(募集や入退去・家賃等の集金・クレーム処理)と建物維持の管理(清掃・修繕や修理)を行う会社です。
多くの賃貸管理会社は30年などの長期にわたりオーナーに賃料の保証をして、建物を一括で借り上げる(サブリース)管理委託の契約を結び成長してきました。
賃貸管理会社といえば「大東建託」、「レオパレス21」、「大和リビング」、「東建コーポレーション」などの会社が挙げられ、多くの会社でサブリースが収益の柱となっています。
【サブリースのメリットとデメリットについて解説】
マンション管理業における管理会社は、マンションの管理組合から委託を受けて管理組合の運営サポートや建物の維持保全管理を行う会社です。
「日本ハウズイング」、「三井不動産レジデンシャルサービス」、「住友不動産建物サービス」、「野村不動産パートナーズ」、「東急コミュニティー」などが挙げられ、主に分譲マンションを管理する会社です。
【関連記事】
レオパレス問題が飛び火!TV局が放送したがらない大東建託のニュース
この記事構成を考えている2月末に、サブリース業界最大手である大東建託からも業界の信用を損なうようなニュースが飛び込んできました。
大東建託と賃貸住宅建築の契約をしたオーナーが建物建築をキャンセルしたにも関わらず、申込金の返還がされないトラブルが消費生活センターなどに数十件寄せられているというニュースです。
同社の過労自殺やパワハラなどブラックな体質やオーナーへの強引な勧誘などの悪評は、筆者である金井も実際に聞いたことがあります。
大東建託の管理戸数は22年連続1位、仲介件数9年連続1位、住宅供給戸数(マンション除く)10年連続1位と輝かしい実績を誇ります。(同社ホームページより)
この実績の裏には「こんなはずではなかった…」と賃貸住宅建築を後悔しているオーナーが数多く存在することでしょう。
そして最も驚きなのが、このニュースはNHKで報じられたくらいで民放のテレビ局では、ほとんど放送されていないという事実です。
その理由として大東建託が大手民放の大口スポンサー(要はお得意様)であるため、見えない力(つまり忖度)によって報道自主規制が行われている可能性があります。
サブリース業界を騒がせているレオパレス21の違法建築問題が少なからず飛び火して、これまで企業の言いなりで泣き寝入りをしてきたオーナーたちが反旗を翻し始めている気がします。
サブリース業界のリアル
サブリース業界では管理戸数が会社の売上に直結します。
よって賃貸管理会社の営業にとって、新築物件はもちろん中古の物件であっても管理戸数を増やすことが至上命題です。
賃貸管理のシステムさえ整っていれば、分母(管理戸数)が増えることによって利益は自然と積みあがっていくためです。
ですがレオパレス問題によって、サブリース業界に余波が広がっています。
筆者である金井が現役の大手サブリース会社社員から聞いた話ですが、レオパレスと株式会社エム・ディー・アイ※1で建てられた物件の管理契約はしないよう、社長通達が出ているそうです。
恐らく同業他社でも同じような措置がとられていることでしょう。
建物の管理会社が変わることはよくあることなのですが、企業のイメージ保持とリスクを避けることからやむを得ない措置でしょう。
※1 株式会社エム・ディー・アイ(MDI)もレオパレス創業者一族による会社で、サブリース主体の建築と賃貸管理業を行っております。
倒産するの?考えられるこれだけのネガティブ要素
施工不備にかかる特別損失として430億円を計上すると発表したレオパレス社。
普通の会社であれば倒産する可能性が高いといえますが、現金預金が892億円(平成30年12月末日時点)あるそうなので当面は大丈夫でしょう。
けれども今後の経営はかなり厳しい状況となることが予想されます。
2月上旬の界壁不備問題が発表される前の株価は510円でしたが、報道後は暴落して僅か1ヶ月の間に半値の250円ほどとなっています。
今後レオパレスの経営面で考えられるネガティブ要素を下記に挙げます。
・違法建築による営業停止などの行政処分の可能性
・被害を被ったオーナー達からの集団訴訟の可能性 ・完全なマネーゲームと化した株価(東証二部への降格や上場廃止等) ・売上の8割以上を支える賃貸事業の利益減少(30年家賃保証の特大ブーメラン) ・現オーナー、オーナー希望者と入居希望者の減少 ・金融機関の融資⇒後ろ向き ・下請け会社の取引停止もしくは施工価格上昇、支払い方法の変更や支払いサイトの短縮 ・社員の希望者減少および離職 ・サブリース業者が飽和状態 |
これだけのネガティブな要素に対して倒産せずに踏ん張れるのか、それとも倒れるのか。
今後どのように利益を生み出していけるのか、業績予報やIRに注目が集まります。
【レオパレス社は過去にも倒産しかけています】
レオパレス物件を売りたいオーナーさん必見!家を売る基本5ステップ+α
2019年(平成31年)2月末時点のレオパレスニュース総括
直近のニュースから見える会社の方針
話題に事欠かないレオパレス社。
2019年(平成31年)2月28日に信じられないニュースが報じられました。
レオパレス社が外壁改修工事の回避を検討しているというニュースです。
外壁の材料が国の耐火や防火基準に適合していないから問題になったのに、安全性は確保されているとして工事をせずに国の認定を取得しようとしているのです。
どこまでもオーナーと入居者の立場に立った考えはできない会社なのかと、怒りを通り越して悲しくなりました。
またレオパレス社員の方たちは信頼回復のため一生懸命火消を行っているであろう中、経営陣がこういった判断をする会社に未来はあるのでしょうか?
(※このニュースにレオパレス社は即時に反応を示し、翌日3月1日に補修工事の段取りを進めていると弁解。)
続編はコチラ
金井
生まれも育ちも仕事も大好きな横浜で人生の大半を過ごす。 地場の建設会社にて施工管理を学ぶ(某有名人宅の新築工事に工事主任として1年間従事)。 同社で不動産の営業、企画にも携わる。 その後、大手不動産会社へ転職し管理と仲介営業を経て2017年に不動産会社を起業。 保有資格:宅地建物取引士、二級建築施工管理技士 |